韓国ドラマを見ているとよく家訓が掲げてあるのを見かけます。この「家和万事成」もポピュラーな家訓なのかもしれません。家族の絆が強い韓国らしい家訓ですね。
ところで、オ・ダルゴンが書き間違えた「가오만사성」カオマンサソンですが、日本語を使っていませんでしたか?가오(カオ)が顔の意味で使われているようです…。そうすると、「顔万事成」で、意味は「顔がすべてのことを成し遂げる」になって…ダルゴンらしい勘違いですね。ダルゴンの台詞からすると、カオには顔だけでなく、家の代表のような意味合いも含まれていたようです。けっこうウケたのかO.S.Tにはこの題名の曲もありますね。
さて、2話の終わりにはこの家訓も「가화만사성」(家和万事成)と正しく書き直されていました。この家訓、一度怒ったダルゴンによって壊されたりもしましたが、後にヤンアの小さな住まいに家族が移る時にも持って行っていましたね。それだけ大切なものとしていたようです。
少し調べてみると、高麗時代に編纂された儒学の箴言集「明心宝鑑」の言葉からきているようです。この「明心宝鑑」の治家篇に「자효쌍친락(子孝雙親楽)이오 가화만사성(家和萬事成)이니라」という言葉があります。意味は「子供が孝行すれば親が楽しく、家が和やかならば万事成し遂げられる」です。
このドラマを通して「家族」のことを「家庭」のことをあれこれ考えさせられました。そして、数年前に聞いたある先生の「素敵な家庭にする秘訣」を思い出しました。
家庭という場所は家族がほっとする場所でなければなりませんね。でも、どうしたら、家庭でほっとできるのか…その先生は、簡単なことだとおっしゃっていました。
夫や子供たちが会社や学校で色々と神経をすり減らし、やっと家に戻ってきたと思ったら、妻や母からいきなりあれこれと聞かれたり、問い詰められたら…。ずっと家にいる者はそれまで十分エネルギーを蓄えているので、戻ってきた方はエネルギーが低下していることをつい忘れて、自分の聞きたいこと、知りたいことをぶつけてしまいます。
こんなお話を聞いていると思い当たることが多数…。それ以来、戻ってきた家族に対しては、自分から話し出すまで待つことにしました。
また、家庭は自分を守ってくれる場所でなければいけませんね。どうしたら自分を守ってくれると感じるのか。
これも簡単なことです。毎朝、会社や学校へ出かける家族を、玄関先でなく表にまで出て、ずっとその姿が見えなくなるまで見送ることだそうです。
本当に簡単なことなのですが、実践は難しいです(汗)。でも出かける時にずっと見送ってもらうと、なんだかとても嬉しいですし、安心できますね。後で戻ってきた時にも自分の事を優しく迎えてくれるのだろうなと感じます。そんな小さな心がけが大切なんでしょうね。
「不良家族」を見て、家族の絆の大切さをしみじみと感じたこの頃、朝が苦手な私ですが、見送り頑張ってみようかな。
最後にこのドラマの名(迷)台詞を一つご紹介します。
흙냄새 맡고 싶어? 土に返したろか~!! 直訳すると「土のにおいを嗅ぎたいのか!?」
本当に楽しいドラマでした。
【2016年3月18日追記】
MBCドラマ「家和万事成」OST「もう知るもんか」by NORAZOの歌詞訳はこちら↓