怖い絵2 [読書]
今日の本は「怖い絵2」です。
この本の表紙になっている顔に見覚えがあったのが、この本に興味を持ったきっかけです。さっそく、この人物の正体を確かめようと中を見ると、ありました。
ファン・エイクの『アルノルフィニ夫妻の肖像』
この絵については以前読んだ本にも詳しく紹介されていて、その時には、絵の中に描かれているもの一つ一つに全て意味があり、絵画全体が結婚証明書になっているという解説に納得したような、でも何かひっかかる物がありました。
【ナショナル・ギャラリー(ロンドン)所蔵】
見れば見るほど、面白い絵です。
特に細部に目を凝らしながら、本書を読みつつ該当箇所を確認すると、まるで写真のような細密描写に驚きます。でもここまでは他の美術解説本と同じ。ここから以降がこの本の面白かったところです。
それは「怖い絵2」の表紙になったこのアルノルフィニ氏の風貌です。顔だけでなく、衣装、調度品、住まいがどこか矛盾している。これが、私がこの絵を見たときに感じた違和感だったのです。それが一つ一つ丁寧に解説され、さらにこの絵についての新説も紹介されていました。
他にはミレーの「晩鐘」が紹介されていました。
この絵のどこが怖いのでしょうか。アンジェラスの鐘の音にあわせて祈りを唱える二人を描いたこの作品に一体何があるというのでしょう。しかし読み進めてみると…確かに説得力がありました。
【オルセー美術館(パリ)所蔵】
それからハントの「シャロットの乙女」の箇所では読みながら私はどうしてもある韓国ドラマの主人公のことが頭に浮かんで仕方ありませんでした。
【マンチェスター市立美術館(イギリス)所蔵】
この本の著者である中野京子さんが先日出演されていたTVを見ましたが、好きな絵を画集で何度も見るうちにふと気付くことがあり、それを調べていくと発見があるとお話されていたのが印象的でした。
現在「怖い絵3」の執筆中だとか。どんな絵が紹介されるのか楽しみです。
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