日本への礼儀 詩人 高銀(コ・ウン) [아름다운 시 (詩)]
高銀は若い頃の朝鮮戦争で辛い体験をしたそうです。僧侶になる直前、海に飛び込んだ高銀を救ったのは日本の船員だったとか。その時の「死なないで生きなさい」という言葉が深く心に残っているそうで、今回の詩はこの言葉への返歌のように思えてならないと記事には書かれていました。
この記事に興味を持った私は詩の全文が読みたくてネットで原詩を探し出しました。この詩は震災直後の3月14日に発表されたようです。既に素晴らしい訳がつけられていますが、私の拙いほぼ直訳でご紹介いたします。
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日本への礼儀 詩人 高銀(コ・ウン)
宮城県名取で13日ある少女が茫然自失の表情のまま泣いている。名取/AP通信
일본에의 예의
日本への礼儀
어떻게 저 무지막지한 재앙에
どうしてあの凄まじい災難に
입 벌려
口を開いて
빈 소리를 낸단 말인가
空虚な声を出せるというのか
어떻게 저 눈앞 캄캄한 파국에
どうしてあの目の前の真っ暗な破局に
입 다물고
口をつぐんで
고개 돌린단 말인가
顔をそむけるというのか
이도 저도 아닌 속수무책으로 실시간의 화면을 본다
あれもこれもお手上げ状態でリアルタイムの画面を見る
몇 천일지
何千なのか
몇 만일지 모를 일상의 착한 목숨들
何万なのか知れない日常のやさしい命
이제 살아오지 못한다
もう生きて戻ってこない
어머니도
おかあさんも
아기도
子どもも
할아버지도 휩쓸려갔다
おじいさんも飲み込まれた
아버지도
おとうさんも
누나도 친구들도 어느 시궁창 더미에 파묻혔다
お姉さんも友達もどこかのがれきの山に埋もれた
그리도 알뜰한 당신들의 집
あれほどつましいあなたがたの家
다 떠내려갔다
全部流された
배들이 뭍으로 와 뒤집혔고
船が陸へ来て引っくり返り
차들이 장난감으로 떠내려갔다 우유도 물도 없다
車がおもちゃのように流された 牛乳も水もない
인간의 안락이란 얼마나 불운인가
人間の安楽とはどれだけ不運なのか
인간의 문명이란 얼마나 무명인가
人間の文明とはどれだけ無明なのか
인간의 장소란 얼마나 허망한가
人間の場所とはどれだけあっけないものか
저 탕산 저 인도네시아
あの唐山 あのインドネシア
저 아이티
あのハイチ
저 뉴질랜드
あのニュージーランド
오늘 다시 일본의 사변에서
今日また日本の事変で
인류는 인류의 불행으로 자신을 깨닫는다
人類は人類の不幸で自身を悟る
그러나 일본은 새삼 아름답다
しかし日本は今更のごとく美しい
결코 이 불행의 극한에 침몰하지 않고
決してこの不幸の極限に沈没しないで
범죄도
犯罪も
사재기도
買占めも
혼란도 없이
混乱もなく
너를 나로
あなたを私として
나를 너로 하여
私をあなたとして
이 극한을 견디어내고 기어이 이겨낸다
この極限を耐え抜いてついに打ち勝つ
오늘의 일본은
今日の日本は
다시 내일의 일본이다
また明日の日本だ
내 이웃 일본의 고통이여 고통 그 다음이여
私の隣人日本の苦痛よ 苦痛のその次よ
오늘의 일본으로
今日の日本でもって
이후의 일본 반드시 세워지이다
以降の日本必ずや立ち上がる
<시인 고은>
<詩人 高銀>
記事入力: 2011-03-14 午後08:28:40 記事修正: 2011-03-15 午後01:53:56
原文が掲載されたハンギョレはこちら↓
http://www.hani.co.kr/arti/society/society_general/468003.html
◆単語ノート◆
・무지막지(ムジマクチ/無知莫知)…非常に無知で荒々しいこと
・재앙(チェアン/災殃)…災難、わざわい
・속수무책(ソクスムチェク/束手無策)…なすすべがないこと、万策尽つきること、お手上げ
・무명(ムミョン/無明)…煩悩によって真理に暗く仏法を理解し得ない心の状態を意味する語
・허망(ホマン/虚妄)…あっけないこと、空しいこと
・탕산(タンサン/唐山)…中国の河北省唐山市で1976年大地震が起こった。この大地震をテーマにした映画[唐山大地震]は現在公開を延期中。
力強い詩ですね。
こちらに住んでいるとニュースではもう全然話題に上らないし、Yahoo Japanで記事をチェックしてもあまりピンとこなくなりつつある最近に、この詩の紹介によってまたあの災害の深い傷が蘇ってきました。
原発で第1号機がメルトダウンしたとか、水が貯まらないとかいう記事を読みました。
非常が日常になりつつある日本ですが、はやく通常の日常に戻ることを祈ってます。
(もう以前の通常には戻らないのでしょうが…)
by あーびぃ (2011-05-13 10:35)
あーびぃへ
こんにちは! コメントありがとうございます♪
そちらでは報道も少なくなっているのですね~。
こちらでも被災地の事が常に気になりつつも普段通りの生活を送っていますよ。
ただ一昨日が震災から2か月ということで色々な記事や番組がありました。
その中で私が印象に残ったことを書きますね。
あまりにも凄惨な体験をして未だに何も語ることができない人たちも多いようですが、
ようやく重い口を開いて語り始める人も。その内容は本当に重いものです…
またそのための支援体制も出来つつあるようですが、
特に自分の体験を上手に言葉にすることができない子供たちの心のケアが重要だという話も出ていました。
また原発関連では放射能の影響で避難している方々のうち一部で
2時間だけ防護服を着て自宅に戻ることを許可された住民の方々の様子が報道されていました。
限られた時間内でがれきの山から大切なモノを必死に探し出す人や
家畜やペットが餓死している光景に悲しみが止まりません。
この詩人と同様、私もTVや新聞などから情報を得るだけですが、
復興にはかなりの時間を要するようです。
大切なのは多くの人が関心を持ち続けずっと見守っていくことだと思います。
海外での日本に対するイメージはどうなのでしょうか。
日本全体が津波に襲われ全てが流され、放射能の影響が心配だと思っている外国の方もいるそうで、正しい情報が世界に伝わることを願いたいです。
by 花かんざし (2011-05-13 14:41)
うーん。。言葉としては有り難いけれど、詩としては拙い気もする。。
ただ、気持ちだけは有り難く受け取らせて頂こう
by っr (2011-10-07 10:40)
っr様、はじめまして。
コメントありがとうございます。
私の拙い訳のせいかもしれません(汗)
でも、被害の実体がまだわからない地震発生直後に
こうやっていち早く日本を気遣うメッセージを寄せてくれていたことは
本当にありがたい事ですよね。
by 花かんざし (2011-10-07 11:20)