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日本への礼儀  詩人 高銀(コ・ウン) [아름다운 시 (詩)]

53日付の朝日新聞文化面に掲載されていた記事で韓国を代表する詩人高銀(コ・ウン)から震災の犠牲者を悼む詩が届いたと紹介されていました。その詩は韓国のハンギョレ紙に掲載され、その後「世界」5月号で素晴らしい訳がつけられて紹介されたそうです。記事には詩の一部が載っていました。

高銀は若い頃の朝鮮戦争で辛い体験をしたそうです。僧侶になる直前、海に飛び込んだ高銀を救ったのは日本の船員だったとか。その時の「死なないで生きなさい」という言葉が深く心に残っているそうで、今回の詩はこの言葉への返歌のように思えてならないと記事には書かれていました。

この記事に興味を持った私は詩の全文が読みたくてネットで原詩を探し出しました。この詩は震災直後の
314日に発表されたようです。既に素晴らしい訳がつけられていますが、私の拙いほぼ直訳でご紹介いたします。

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日本への礼儀  詩人 高銀(コ・ウン)

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大災害の前に人間とは…去る11日押し寄せた地震津波で巨大ながれきの山になった日本の
宮城県名取で
13日ある少女が茫然自失の表情のまま泣いている。名取/AP
通信



일본에의 예의
日本への
礼儀


어떻게 무지막지한 재앙에
どうしてあのまじい災難

벌려
いて

소리를 낸단 말인가
空虚せるというのか

어떻게 눈앞 캄캄한 파국에
どうしてあの破局

다물고
をつぐんで

고개 돌린단 말인가
をそむけるというのか

이도 저도 아닌 속수무책으로 실시간의 화면을 본다
あれもこれもお手上状態でリアルタイムの画面


천일지
何千なのか

만일지 모를 일상의 착한 목숨들
何万なのかれない日常のやさしい

이제 살아오지 못한다
もうきてってこない

어머니도
おかあさんも

아기도
どもも

할아버지도 휩쓸려갔다
おじいさんもまれた

아버지도
おとうさんも

누나도 친구들도 어느 시궁창 더미에 파묻혔다
さんも友達もどこかのがれきのもれた

그리도 알뜰한 당신들의
あれほどつましいあなたがたの

떠내려갔다
全部流された

배들이 뭍으로 뒤집혔고
っくり

차들이 장난감으로 떠내려갔다 우유도 물도 없다
がおもちゃのようにされた 牛乳もない


인간의 안락이란 얼마나 불운인가
人間安楽とはどれだけ不運なのか

인간의
문명이란 얼마나 무명인가
人間文明とはどれだけ無明なのか

인간의 장소란 얼마나 허망한가
人間場所とはどれだけあっけないものか


탕산 인도네시아
あの唐山 あのインドネシア

아이티
あのハイチ

뉴질랜드
あのニュージーランド

오늘 다시 일본의 사변에서
今日また日本事変

인류는 인류의 불행으로 자신을 깨닫는다
人類人類不幸自身


그러나 일본은 새삼 아름답다
しかし日本今更のごとくしい

결코
불행의 극한에 침몰하지 않고
してこの不幸極限沈没しないで

범죄도
犯罪

사재기도
買占めも

혼란도 없이
混乱もなく

너를 나로
あなたをとして

나를 너로 하여
私をあなたとして

극한을 견디어내고 기어이 이겨낸다
この極限いてついに


오늘의
일본은
今日日本

다시 내일의 일본이다
また明日日本


이웃 일본의 고통이여 고통 다음이여
隣人日本苦痛 苦痛のその

오늘의 일본으로
今日日本でもって

이후의 일본 반드시 세워지이다
以降日本必ずやがる


<
시인 고은>
<詩人 高銀>
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記事入力: 2011-03-14  午後08:28:40  記事修正: 2011-03-15 午後01:53:56

原文掲載されたハンギョレはこちら
http://www.hani.co.kr/arti/society/society_general/468003.html


◆単語ノート◆
무지막지(ムジマクチ/無知莫知)…非常に無知で荒々しいこと
재앙(チェアン/災殃)…災難、わざわい
속수무책(ソクスムチェク/束手無策)…なすすべがないこと、万策尽つきること、お手上げ
무명(ムミョン/無明)…煩悩によって真理に暗く仏法を理解し得ない心の状態を意味する語
허망(ホマン/虚妄)…あっけないこと、空しいこと
탕산(タンサン/唐山)…中国の河北省唐山市で1976年大地震が起こった。この大地震をテーマにした映画[唐山大地震]は現在公開を延期中。 


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あーびぃ

力強い詩ですね。
こちらに住んでいるとニュースではもう全然話題に上らないし、Yahoo Japanで記事をチェックしてもあまりピンとこなくなりつつある最近に、この詩の紹介によってまたあの災害の深い傷が蘇ってきました。
原発で第1号機がメルトダウンしたとか、水が貯まらないとかいう記事を読みました。
非常が日常になりつつある日本ですが、はやく通常の日常に戻ることを祈ってます。
(もう以前の通常には戻らないのでしょうが…)
by あーびぃ (2011-05-13 10:35) 

花かんざし

あーびぃへ
こんにちは! コメントありがとうございます♪

そちらでは報道も少なくなっているのですね~。
こちらでも被災地の事が常に気になりつつも普段通りの生活を送っていますよ。
ただ一昨日が震災から2か月ということで色々な記事や番組がありました。
その中で私が印象に残ったことを書きますね。

あまりにも凄惨な体験をして未だに何も語ることができない人たちも多いようですが、
ようやく重い口を開いて語り始める人も。その内容は本当に重いものです…
またそのための支援体制も出来つつあるようですが、
特に自分の体験を上手に言葉にすることができない子供たちの心のケアが重要だという話も出ていました。

また原発関連では放射能の影響で避難している方々のうち一部で
2時間だけ防護服を着て自宅に戻ることを許可された住民の方々の様子が報道されていました。
限られた時間内でがれきの山から大切なモノを必死に探し出す人や
家畜やペットが餓死している光景に悲しみが止まりません。

この詩人と同様、私もTVや新聞などから情報を得るだけですが、
復興にはかなりの時間を要するようです。
大切なのは多くの人が関心を持ち続けずっと見守っていくことだと思います。

海外での日本に対するイメージはどうなのでしょうか。
日本全体が津波に襲われ全てが流され、放射能の影響が心配だと思っている外国の方もいるそうで、正しい情報が世界に伝わることを願いたいです。

by 花かんざし (2011-05-13 14:41) 

っr

うーん。。言葉としては有り難いけれど、詩としては拙い気もする。。
ただ、気持ちだけは有り難く受け取らせて頂こう
by っr (2011-10-07 10:40) 

花かんざし

っr様、はじめまして。
コメントありがとうございます。

私の拙い訳のせいかもしれません(汗)

でも、被害の実体がまだわからない地震発生直後に
こうやっていち早く日本を気遣うメッセージを寄せてくれていたことは
本当にありがたい事ですよね。

by 花かんざし (2011-10-07 11:20) 

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