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済衆院「ファン・ジョン」の実在の人物「パク・ソヤン」をご存知ですか [【韓国ドラマ】済衆院]

韓国ドラマ「済衆院」第22話まで見ました。
父親の哀れな姿にとうとう「お父さん!」と言ってしまい身分を偽っていたことがバレてしまった主人公ファン・ジョン。まるで「杜子春」のようでした。白丁に戻ったソグンゲですが、「私にはファン医生とソグンゲは同じです」と言うソンナン。彼女の目は、目に映っている今のソグンゲの奥にあるファン・ジョン(ソグンゲ)そのものをまるごとしっかりと捉えているようで、美しいだけでなく強さも感じました。

ところで、この主人公ファン・ジョン(ソグンゲ)にはモデルとなった実在の人物がいるようです。この人物について書かれた記事を拙い訳ですがご紹介いたします。

[CULTURE]済衆院「ファン・ジョン」の実在の人物「パク・ソヤン」をご存知ですか

記事入力 2010-01-27 09:29 [週刊東亜]

SBS
月火ドラマ「済衆院」が巷で話題だ。ドラマの主題は旧韓末最初の近代式病院「済衆院(広恵院)」を背景に身分の差を克服して真正な医師として成功したファン・ジョン(パク・ヨンウ扮)の一代記だ。ドラマ中のファン・ジョンが実在の人物であることが明らかになるにつれて視聴者の気がかりと好奇心がさらに広がっている。ファン・ジョンは白丁出身でありながら韓国初の医師免許を受け独立運動までした「パク・ソヤン(朴瑞陽)」をモデルとしている。

人間扱いされなかった幼い頃の名前は「ケセッキ/犬の子」

医師パク・ソヤンは韓国のキリスト教の歴史で「白丁の息子が医者になった」という程度に語り継がれてきただけで、これまで彼の真価がろくに知られていなかった人物だ。最近になって彼が世間に知られるようになり本来の価値が認められたのには延世大学医科大パク・ヒョンウ(54才、解剖学教室)教授の隠れた努力が大きな役目を果たした。パク教授は、パク・ソヤンの一代記を史料の考証を通して明らかにして論文に書き、また彼が書いた「済衆院」という本はドラマのモチーフを提供することもあった。パク教授がドラマの医学諮問を引き受けた事もこのためだ。

パク・ソヤンは果たしてどのような人物だったのだろうか。もしドラマの内容をあらかじめお知りになりたいのならパク・ソヤンの一代記に注目する必要がある。ドラマでファン・ジョンの幼いころの名前は「ソグンゲ」で目方が少なく生まれた犬、すなわち「犬の子」という意味だ。それくらい当時白丁は人間の扱いを受けていなかった。最下層の身分であるパク・ソヤンが医師になったことはパク・ソヤンの父親パク・ソンチュン(朴成春)と済衆院の医師エビスン(O.R.Avison〈魚丕信〉済衆院4代目院長)の「運命的な縁」のお蔭だと言っても過言ではない。腸チフスにかかり死境をさまよっていたパク・ソンチュンをエビスンが身分を差別しないで献身的に治療したので、これに深い感銘を受けたパク・ソンチュンはキリスト教に改宗し、彼を師匠のように従ったという。

コレラもパク・ソヤンが医師になるのに一役買った。1895年コレラが蔓延し始めると韓国政府はエビスンを防疫責任者として任命した。エビスンの努力の末にコレラがある程度鎮静すると朝鮮政府はエビスンに感謝を表し、彼はこの機会を逃がさず、地方の白丁たちの解放を嘆願した。パク・ソンチュンをはじめとした他の白丁達の嘆願も一緒に提出された。ついに18962月白丁たちにも免賤が許される事に至った。すなわち、パク・ソヤンについに医者になる道が開かれたわけだ。

パク・ソヤンは結婚後、本格的に医学の勉強を始めた。しかその過程は平坦ではなかった。エビスンはパク・ソヤンの結婚式の場で「せがれを病院に連れて行って教育してください」というパク・ソンチョンの願いを受けても済衆院医学校の入学を許可しなかった。そのかわりパク・ソヤンを病院へ呼び、掃除、ベッドの整理などあらゆる人の嫌がる仕事をさせた。パク・ソヤンが辛い仕事を何の不平も言わずに処理するとエビスンは初めて彼に医学の本を読ませた。後日明らかになったことだが、エビスンはパク・ソヤンの人となりを知るためにわざと彼を試した。結局パク・ソ
ヤンは他の6名とともに1908年卒業試験にパスして韓国初の医師免許を受けた。パク・ヒョンウ教授は「今も昔も医学の勉強で必要な徳目は「誠実性」であり、パク・ソヤンの人となりを知る事ができる部分」だと説明した。

満州の舞台で医療活動、東亜日報記者としても活躍

学校を卒業したパク・ソヤンは母校済衆院医学校の専任教授として化学、解剖学などを教えながら外科患者を診察した。しかし彼は医師としての楽な人生に安住しないで突然間島(カンド/現在の中国吉林省東部)へ移住した。そこで彼は救世病院と崇神学校を建てて独立運動に積極的に乗り出した。さらに間島地域の朝鮮人の自治機構であり独立運動団体の大韓国民会で軍医として任命され医療を担当した。パク・ソヤンはこの時東亜日報間島支局記者としても活躍した。

満州を舞台として独立運動に尽力していたパク・ソヤンは1936年帰国の途に着いた。パク・ヒョンウ教授は「1931年の満州事変以降、間島での独立運動が事実上難しくなり『不穏思想を鼓吹する』という理由で彼が設立した崇神学校が廃校されると帰国したように思われる」と言い、「既に50代になり余生を故郷で過ごしたかったのだろう」と説明する。パク・ソヤンは光復を5年後に控えた194055歳で自宅にて永眠した。

パク・ソヤンの一代記は2006年パク・ヒョンウ教授の論文『パク・ソヤンの医療活動と独立運動』を通して世間に知られるようになった。パク・ソヤンの業績が今ごろ明らかになったことについてパク教授は「最近、独立運動史の史料についての接近が容易になったおかげでパク・ソヤンが間島で活動した内容を概略的にでも確認する事ができるようになった。またパク・ソヤンの孫パク・ヨンス氏が2005年延世大学を訪問した時に入手した戸籍謄本など様々な資料と当時の「東亜日報」「新東亜」の記事も大きな助けになった」と話す。

ノブレス・オブリージュを自ら実践した名医

2008年光復節を迎えパク・ソヤンは「建国褒章」を受け独立有功者として追叙された。パク・ヒョンウ教授は「初の医師免許を受けた7名の中で4名が独立有功者」だと言い、「数多くの朝鮮のエリートたちが近代至上主義の美名の下に日帝の侵略を容認していたのとは違い、この人々はノブレス・オブリージュ(noblesse oblige/高貴なる義務)を自ら実践しながら名医の姿を見せてくれた知識人」だと説明した。

イ・ギウォン作家の脚色を通してファン・ジョンとして生まれ変わったパク・ソヤンはドラマ「済衆院」でこの時代を生きていく私たちに多くの示唆点を投げかけてくれる事で期待される。現在まで(第8話まで)進行されたドラマの内容を見るとエビスンが広恵院(済衆院の前身)の初代院長であると同時に韓国に初の西洋医学を伝えたH.N.アレンとして設定されたし、父との因縁部分はファン・ジョンとアレンの個人的な親交として設定されたが、劇の展開の流れはパク・ソヤンの一代記から大きくはずれない見通しだ。チリに住んでいるパク・ソヤンの孫パク・ヨンス氏(74才)は「ドラマの面白さのために無理に脚色した部分がありちょっと残念だ」と伝えた。

チェ・ヨンチョル記者/パク・ヨンモク週刊東亜インターン記者延世大医学科4年生


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1.1908年済衆院医学校第1回卒業式 
真ん中の列向かって右側がパク・ソヤン

2.済衆院 手術場面 
学生パク・ソヤン(中央)が宕巾(タンゴン)をかぶり
エビスンを補助している。
3.パク・ソヤン

 

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1885年設立された済衆院全景


原文はこちら↓

http://news.naver.com/main/read.nhn?mode=LSD&mid=sec&sid1=103&oid=037&aid=0000009396


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葵翠

最近「済衆院」を見ました。ファン・ジョンが実在の人物だと聞き、興味を持ちました。
このブログのおかげでドラマがほぼ忠実に事実を追いかけていることを知り、驚きました。
医師でありながら、独立運動に尽力したことは素晴らしい。もし、彼らが帝国主義からの独立という目的を果たしていれば、韓国分断という事態にはならなかったんじゃあないかと改めて悔しい思いです。
by 葵翠 (2010-12-17 08:23) 

花かんざし

葵翠さん、はじめまして。
ご訪問とコメントありがとうございます。

韓国ドラマ「済衆院」を視聴されたのですね。
私はこのドラマを視聴することで、本当に多くの事を知るきっかけを頂きました。
「見て良かった!」と思うドラマの一つです。
もちろん、ドラマに出演した俳優たちの熱演にも感動をしました♪

パク・ソヤンのことは済衆院に関する記事を探しているうちに見つけました。
ドラマなので多少の脚色はあったでしょうが大方はファン・ジョンとパク・ソヤンの辿った人生は一致していましたね。

ドラマは終わってしまいましたが、その後ファン・ジョンはどんな活動をしたのでしょうか。
その後の半島の歴史を考えると色々と案じてしまいますが、
きっと何処に行っても誰に対しても誠実な態度で生き抜いたことでしょうね。

by 花かんざし (2010-12-17 22:03) 

花かんざし

HWK様、nice! ありがとうございました♪
by 花かんざし (2013-03-11 23:12) 

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