NORAZO Bugsインタビュー「販売王とロックを語る」その2 [NORAZO インタビュー記事 2012]
以前私が大阪のライブで「アンドロメダ」を歌ったかどうかを気にしていた訳は、実はライブでしか歌えない替え歌があるようなので、もしかして~と思ったからです。
それからいつもお世話になっているまみんちょさんからコメントで教えていただいた「Gaia」に似ているというHelloween(ハロウィン)の「Keeper Of The Seven Keys」のこともこの記事に出てきました~。やはり意識していたのですね~。
そして以前「Gaia」の秘密としてご紹介した「11分12秒」に関しても、また別の秘密がありました!いろいろと興味深いインタビュー内容でした~。
例によってインタビュー記事なので会話部分の語尾を原文では「だ、である」のところ、「です、ます」に読み替えています。さらに(※~)の言葉は私が付け加えたものです。
#2 精神状態の再武装アルバム「全国制覇」
Q. 5集アルバムタイトルが「全国制覇」です。どこか悲壮ですね。
A. チョビン:我々はイベントもたくさんやっているから全国を沢山廻ります。ジャンルを離れて楽しみを与えるチームの中では一位をとりたい気持ちがあります。そして全国制覇をするためには全国をくまなく廻るべきではないでしょうか。
有名になったからと言ってソウルだけでやって「放送を見て下さい」というのではなく、うまくいったので多少のお金も持っているからもっと会いに行って活動しようという、マンネリになる気持ちを引き締めるためにタイトルを作りました。ガソリン代(※お金)は重要ですよ。
Q. アルバムリストをちょっとじっくり見てみましょう。まずタイトル曲「販売王」です。保険王も思い出しますし、ピラミッド(※マルチ商法)も思い出します。何をそんなに売ろうというのですか?
A. チョビン:「販売王」は我々が楽しみと見もの聞きものをさし上げているのではないでしょうか。これでお金を稼いで活動していますが、果たして我々がより良質の製品を作って差し上げようとする努力がいつもあったのかという反省からアプローチしました。
保険王や販売王のような方々が出ているドキュメンタリーを見ると、お客様のために昼夜を分かたず非常に献身的に働いておられます。それで我々もあのような歌手になるべきではないかと考えていて、イヒョクさんが「販売王はどうかな」とアイディアを出しました。
我々はたくさんの方々に笑いと楽しみを売るのです。なぜなら前払金を受け取ったからです。我々が猟奇だとお叱りを受けた時から粘り強く応援して下さった方々に。一言で我々の精神状態の再武装のために作った曲です。
Q. この曲はポンチャック気が満ちたユーロシンセサウンドと交わるディストーションギターがぴったりNORAZOの音楽だなと思います。今までのNORAZOタイトル曲のスタイルを維持する曲ですが、特別にタイトル曲のスタイルを維持する理由がありますか。
A. チョビン:聞いた時に気楽にさせたかったのです。それでダンス曲にもその中に色々な音楽があるだろうけれども、我々のパフォーマンスと合わせるなら音楽にユーモア的な面があるべきではないだろうかと思いました。歌詞にしても、サウンドにしても。
今回の曲のような場合、私のひょうきんさにイヒョクさんの感じがとてもたくさん溶け込んでいる作業物です。どう見てもよりアップグレードした感じ?とは言っても以前の作業物を捨てたりしようというのではありません。我々は何かするのなら捨てたりしません。
Q. ミュージックビデオの話をしない訳にはいきません。個人的にNORAZO最高のミュージックビデオは既に傑作品の仲間入りを果たした「スーパーマン」だと思います。今回のミュージックビデオについての満足度は?
A. チョビン:今回のミュージックビデオはちょっとアイドルっぽくキメようという感じでセットの作業をたくさんしました。そのようにした理由は我々がカッコよく撮ったとすると人々が「わ~カッコいい」ではなくて「わ!ちょっとチョビン見てよ(笑)」となるようにするためです。
アイドルに追い付こうとするせいで股が裂ける感じです。(※ことわざ表現→単語ノート参照)イヒョクさんのような場合はもっとカッコよくなることもありますし。基本的に我々がする行動はご覧になる方々が楽しまれたらいいなという願いからするのです。
Q.イヒョクさんはオープニングで王様の衣装がとってもお似合いでした。
A. チョビン:どこかの混血王みたい。
イヒョク:みんな山賊のようだと言います。
Q. 容赦なく「キムチ」というフードソングが収められました。今回のフードソングは前回の「カレー」や「屋台」に比べて弱いという評価もありますが。
A. チョビン:今回の曲の意図は「キムチ」のPRソングのような感じにしました。大人たちの中にもキムチを食べない人がいます。子供たちもそうですし。「カレー」はタイトルの感じで我々が食べて生活しようと作った歌で、「キムチ」は童謡のように作ろうという意図がありました。
お母さんが子供にキムチを食べさせる時も一緒に歌えるように、我々が子供たちの所に会いに行く歌を作りたかったのです。編曲もちょっと幼くて単純に。家で童謡と一緒に(※チャンネルを)ひねっても違和感のない感じで。キムチ業界の連絡を待っています。
Q. ついに問題作「アンドロメダ」が登場しました。一体どういうつもりでこの曲を作ったのですか。
A.チョビン:これは本当に我々だけで集まって「アンドロメダ」へ行ってみようと作った曲です。とんでもない歌詞と辻褄が合わない内容でお聞きになる方々も「私も作詞できそう。」という程度にでたらめに作ろうと努力しました。
実は非公開バージョンの歌詞が強烈なのですが、そこでは「道を歩いていて我慢できなくなったら我慢しないで路上放尿。道を歩いていてきれいな女に出会ったら我慢しないで風紀紊乱」でした。しかし若い子たちが聞いてまねするかも。
イヒョク:それならそのまま埋蔵だよ。
チョビン:ライブの時のオリジナル歌詞を期待してくれって?
Q. シングルで発売された「赤い日(※祝日)」はメタルバージョンが入りました。ダンスバージョンを除外してアルバムに入れた理由は?
A. チョビン:二つのバージョンとも入れようかと思いましたが、ダンスはたくさんお聞かせしているのでメタルを入れました。またロックに喉の渇きを覚えておられる方々に良いプレゼントになるかなと思いました。
Q. 「親孝行」と「Mother Of mine」は全ての両親について物語っています。音楽的に表現したい何か特別な理由があるのですか。
A. チョビン:我々が若い頃、両親にたくさん心配をかけていたから。両親に対する愛は誰もが持っているのに単に照れくさい表現をできないとか、表現するのが必ず特定の日でなければならないというのがもどかしかったのです。我々も表現できずに生きてきたのでまあ一緒に一度にやって見よう。という考えでした。
たまにこんなことを思います。私がいくらお金を一生懸命稼いでちゃんと暮らしても、急に両親が亡くなったら困るじゃないかという思い。そして既にご両親を亡くしておられる方々もいらっしゃいますし。そんな方々と一緒に両親に対する思いを表現する仕事をすることがまた我々がしなければならない事のようでした。ちょっと照れくさいのですが。
Q. 遂に最後のトラックであり、またもう一つの問題作「Gaia」です。メロディック・メタルバンド達に対する献呈曲だと聞きました。
A. チョビン:様々なソースをたくさん盛り込みました。我々がこれまで聞いてきた音楽から出てきた曲なのでオリジナリティは少し落ちます。我々が作ったメロディだと考えますが、聞いてみるとかつての彼らのメロディが我々の胸の中に刻みこまれ、再び出てきているのです。
それで「ノラジョだけのスピードメタル」というより昔の音楽のようになりつつあるメタルをいま一度持ち出したくてイヒョクさんに曲を書いてと言いました。歌詞は私が書くからと。実際11分のランニングタイムの間で歌詞が付いた部分はそれほど多くありません。イヒョクさんが非常に苦労するのです。ギタリストと二人で。
イヒョク:やりたいスタイルの音楽ができたので楽しかったです。でもとても大変でした。なぜこんな風にしたんでしょう。録音しながら死ぬかと思いましたよ。とても高くて。
チョビン:私は横で時間をもうちょっと延ばして~と言いながら。Helloween(ハロウィン)の「Keeper Of The Seven Keys」は全部で13分を超えるので我々もとりあえず13分を超えなければ。でも死んでも超えませんでしたよ。
だからと言って無理やり長くすることも出来なくて。最も聞くのによい部分だけ選んでみたら11分12秒になったのですが、それなら11分11秒で行こうと。ペペロデー(※11月11日)を狙って。ところが最後に余韻があってダメでしたよ。
Q. この曲は前作「Rock Star」で爆発したノラジョのロックスピリッツの集大成だと思います。これからもこんな巨大な作風の強い音楽を作業するつもりですか。
A. チョビン:続けるつもりです。一時の夢がレコーディング・エンジニアでした。いつも外国曲を聞いてみるとサウンドがとても見事ですが、韓国は装備が悪いわけでもないのですが、なぜメタル曲を聞くといつも洞窟サウンド(※洞窟内で響くような音)でなければならないのかという思い。それで私が直接勉強してみようという考えがありました。
夢だけで終わったりしましたが、ロックをするようになった時、最も重点的に考えたことは本場のサウンドを最大限に取り入れようということです。もちろん今、ロックをなさる方々は皆そういう事を考えているでしょう。これからの作品もサウンドに忠実になるよう努力するつもりです。そんなことが面白いです。これからまたどんな音楽を作ろうかと。そのように作業したものがこれからロックの復興をもたらすのにまた何かの足しにならないでしょうか。
それで個人的にムン・ヒジュンさんを高く評価します。アイドル出身で勇敢にロックをしていたという自体だけでも物凄いことです。その頃のムン・ヒジュンさんの音楽を聴いた人たちが我々のロック音楽も拒否感なしに聞いてくれることだろうと思っています。こんな動きがずっと続くならいつか音楽番組にメタルやハードロック音楽で出てくるバンドが現れることもあるでしょう。
Q. こんなスタイルについて社長は心配してそわそわなさいませんでしたか。
A. チョビン:社長はタイトル曲の2曲だけ出来たら残りは自分達でちゃんとやれよとおっしゃいます。そのためより自由に作業できるのです。社長もそれならもうちょっと伸ばせと、はじめっから全世界的に伸ばせとおっしゃるので、X-Japanは30分もの曲がありますよと言った途端、急に静かになられました。◇その3へつづく
記事原文はこちら↓
http://music.bugs.co.kr/holic/interview/7902?page=1&sort=new
◆単語ノート◆
・기름값(キルムカプ)…ガソリン代=お金
・피라미드판매(ピラミドゥパンメ)…ピラミッド販売=マルチ商法のこと
・뽕끼(ポンキ)…뽕짝(ポンチャック)+ 끼(性質)
・디스토션 기타(ディストーションギター)…ディストーションとはエレキギターの音色に変化をつけるエフェクター(ギターとアンプの間に取り付ける装置)の一種のようです。
・마스터 피스의 대열에 오르다…直訳:マスターピースの隊列に上る→「傑作品の仲間入りを果たす」と訳してみました。
・~게끔(~ケクム)…~するように
・하느라(ハヌラ)…~するせいで ~するうちに ~したせいで
・아이돌 따라잡기 하느라 가랑이 찢어지는 느낌이다(アイドルに追い付こうとするせいで股が裂ける感じだ)面白い表現だと思ったら、韓国の諺にこんな言葉があります。
뱁새가 황새를 따라가다 가랑이 찢어진다
(ダルマエナガがコウノトリをまねると股が裂ける)
ダルマエナガとはスズメくらいの小さな鳥。この鳥が大型のコウノトリのまねて大股で歩くなんて無理な話ですね。これは人のまねをして自分の能力以上のことをするとひどい目に遭うという意味です。というわけでアイドルたちのマネなんかするとひどい目に遭うという意味になるのでしょうが、チョビンだって背も高いし素敵ですよね。
・Andromeda(안드로메다/アンドゥロメダ)…地球から230万光年離れたところにある銀河。韓国では「アンドロメダに概念を送る」という表現をよく使うそうで、相手の考えがアンドロメダ位にもの凄く自分とかけ離れているような状態をユニークな表現を使ってに言っているようです。
・재치다(チェチダ)…제치다(チェチダ)のこと。意味~取り除く、抜く、どける。
・썩히다(ソッキダ)…썩이다(ソギダ)のこと。意味~속(을) 썩이다=心配をかけて苦しめる。気をもます。悩む。
・죽어나다(チュゴナダ)…仕事などがとても大変で非常に疲れる事
・헬로윈(Helloween)…ハロウィン1984年にドイツのハンブルクで結成されたヘビィメタルバンド。
・빼빼로 데이(ペペロデイ)…韓国で11月11日はペペロというポッキー似のお菓子の形状と似た1がたくさん並ぶ日なのでペペロを贈り合う日になっています。빼빼(ペペ)とは韓国語で痩せすぎ(ガリガリ)という意味。
・문희준(ムン・ヒジュン)…H.O.T. (活動期間1996年 – 2001年)のリーダー
☆記事の中に出てきた13分以上もあるHelloween の「Keeper Of The Seven Keys 」
こんばんは。
本当に二人とも音楽に対して真摯ですね。
こうしてただただ聴かせてもらうばかりで、
申し訳なくなってきてしましますね。
チョビンの音に対するこだわり。
よく、その土地の湿度なんかが関係するなんて聞きますよね。いつの日かNORAZOもイギリスで録音する日もくるかもしれませんね(*^_^*)
by noracky (2012-01-28 21:27)
norackyさん、こんにちは^^
いつもコメントありがとうございます~♪
インタビューのこの部分は訳していても
面白くて、思いがけない話もあって
早く皆さんにもご紹介したいなと思った部分です。
5集の楽曲はチョビンやイヒョクが直接作っているので
二人の音楽に対する強い思いがたくさん詰まっていますね♪
by 花かんざし (2012-01-29 17:00)
長いインタビューを翻訳ありがとうございます。
ライブバージョンでアンドロメダを歌われても、気付けないかも^^;
Gaiaは余韻で伸びたおかげで、11月12日になったんですね。
偶然なんですね~(@@)
そして細かい事は色々と思うのですが、本当にチョビンは丁寧に
たくさんしゃべってくれてますね。さすが!
by mero (2012-01-30 21:18)
meroさん、こんばんは~♪
コメントありがとうございます^^
スーパーマンは何度も聞いたので
歌詞を替える部分が大体決まっていることがわかってきましたが…
アンドロメダはライブでどう歌うのでしょうね~
Gaia…一秒も音楽の中では長いですものね~
なかなか思う通りにはいかなかったようで…
世界七大自然景観の事は意図してそうしたというより
偶然的だったのですね~~
チョビンは毎度のことながらよく語っていますよね~
イヒョクも頑張ってもう少し語ってほしいです~^^
by 花かんざし (2012-01-31 00:48)