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「漢城別曲-正」脚本家インタビューその1「アン・ネサン、台本以上の正祖」 [【韓国ドラマ】漢城別曲-正]

新年になってから韓国歴史ドラマ「太陽を抱く月」を見始めました。まだ子役たちが活躍している頃ですがなかなか面白そうですね。

またこれまでいくつか韓国ドラマを見てきた私の個人的な楽しみとして他のドラマで強い印象を残した俳優さんたちをあちこちで発見して…

「快刀洪吉童」のヘミョンスニム役だったチョン・ウンピョ氏(内侍ヒョンソン)や「ジャイアント」「根の深い木」の子役ヨ・ジング君(王世子)、「屋根部屋の皇太子」のイ・ミノ君(陽明君)、「チャングム」のハン尚宮だったヤン・ミギョンさん(ヨヌの母)、「黄眞伊」のチニの母(チョン・ミソンさん/国巫)と師匠(キム・ヨンエさん/大妃)も出てきました。

そして「漢城別曲-正」の王様アン・ネサン氏がこのドラマでも王様でした。

アン・ネサン氏の王様を見ながら、随分前に書いておきながら公開していなかった記事があるのを思い出しました。「漢城別曲-正」に関する脚本家のインタビュー記事なのですが、ブログUPのタイミングを逸してしまって…。もう2年近く前からずっと気になっていたのですが思い切って公開してみます。

今更感が大いにありますが、ただ個人的記録として残しておきたい記事ですので適当にスルーして下さいね。

また、このドラマを未視聴の方にはネタバレ満載ですので注意ください。
  

[インタビューその1]「漢城別曲」パク・チヌ作家『アン・ネサン、台本以上の正祖』
2007-12-17 10:38:13 [チン・ジョングン記者] 

作家インタビューアンネサン1.jpg


[TVリポート]今年(※2007年)もひときわ時代劇の風が強かった。 昨年50%という視聴率を記録した「朱蒙」以降にも「大祚栄」「漢城別曲-正」「太王四神記」「王と私」「イサン」「正祖暗殺ミステリー8日」など今年の下半期のお茶の間は時代劇が占領したと言っても過言ではない。

これらの時代劇の中で評論家と視聴者の注目を集めた時代劇がまさに「漢城別曲-正」だ。 正祖末期の政治的激変期を扱ったこの作品は堅実な構成と肺腑をえぐるような台詞、一本筋の通った映像美で視聴者の視線をとらえた。 たとえ5%しかない低調な視聴率を記録していても熱血マニアとマスコミは「極上時代劇」と呼んで称号を付けることに躊躇しなかった。

「漢城別曲-正」の世界を作った人がまさにパク・チヌ作家だ。KBS ドラマシティ「もうチョヨンは踊らない」でデビューした彼は全8話の「漢城別曲」を通じて侮れない内面の実力を見せた。全てのことをPD(※監督)と一緒に作業したスタッフの取り分へと回すパク作家を通して「漢城別曲」が言う「正」の意味を振り返ってみた。インタビューは作家の都合でEメールと電話で進行された。

Q--作品が終わってから4ヶ月程になった。その間どのように過ごしていたのか?

A--7月末に放送が終わった後1ヶ月程度休息をとっていた。そして9月から次の作品を準備している。

Q--視聴率は高くなかったが「漢城別曲」は多くの注目を集めた。 最近もDRAMATIQUE(※雑誌)が選定した2007年韓国ドラマ総決算で最高のドラマの中の一つに選ばれたりしていた。放映当時「極上時代劇」とも言われたが作家の考えはどうなのか?

A--「極上時代劇」と言って愛して下さった視聴者に感謝するばかりだ。しかし個人的には足りない部分が多かったと思う。何より気楽で簡単に見られるドラマではなかったと大いに反省をしている。

Q--振り返ってみて惜しい点があったと言うなら?

A--視聴率もそうだったし、とても早い展開だったようだ。初めて見る方々は何の話なのかよく分からないと言っていた。それが「漢城別曲」の長所になるのだが、振り返ってみると短所のようでもある。

Q--「漢城別曲」は今年の正祖ドラマの先駆けと見ることができる。「 漢城別曲」の企画当時の話を聞きたい。どのように企画したのか?

A--2006年の中頃、クァク・ジョンファンPDと単発ドラマ「彼らの真実」を準備している頃KBSで社内シノプシス公募をしていた。 その時ちょっとクァク・ジョンファンPDと以前に書いていた単発モノ「漢城別曲」について話しあって、意味があると思う箇所が多くて公募に出してみようと意見を集めることになった。

全8話で企画した理由は話のスケールが通常のミニシリーズのサイズに届かないと思ったからだ。 最も多く参考にした資料は当然のことながら「朝鮮王朝実録」の英祖、正祖編であり、正祖についての単行本もたくさん参照した。特に英祖、正祖時代の市場の流れを知るためにその他の関連図書もたくさん接した。

Q—当初の単発ドラマと8部作の「漢城別曲-正」に違いはあったか?

A--作家教育院で書いていた台本だが、そこにヤン・マノ、キム・ナヨン、パク・サンギュの三人が登場するのは同じだった。 当時台本にヤン・マノが王を毒殺するという計画程度だけあったが8部作の方では正祖の話が追加されて拡大されたのだ。

Q--「漢城別曲」以降に正祖を背景にした時代劇がたくさん登場した。大統領選挙(※2007年12月に実施)が近い上に現実の政治と正祖時代が似ていると皆が言ったりしている。また、作品の序盤に盧武鉉大統領の発言を連想させるようなセリフもあった。 その後消えてしまったが、作品を書きながら当時の時代をたくさん研究したようだが、当時と今の時代が似ていると思ったか?

A--我が国の歴史のどの時代でも、振り返ってみるといつも現在と類似した点が多いと思う。 特に正祖の時代を背景に定めたのは、その当時のいくつもの点が今と非常に似ていたためだ。 移秧法(※田植えの方法の一つ)の普遍化がもたらした富の偏重とそれによる両極化、華城遷都の試みと既得権の反発、政界の深刻な葛藤などいちいち列挙するのが難しいほど多かった。

しかし、何より注目したことは西洋の学問をはじめとする西洋文物の急速な流入によって価値観が非常に混乱していた時代という点だ。 それで当時自身の価値観を確立して出てきた若い世代たちが激しい混乱に陥るしかなかったのだが、それが今の若者たちと似ていると思う。

Q--利害関係が全く異なるその時代の主人公たちが自分が正しいと信じることを行動に移したり、あるいは苦悩する姿が多くの視聴者たちの共感を呼んだ。このドラマの中のキャラクターで自分と似たキャラクターや最も愛着があったキャラクターがあればその理由を聞かせてほしい。

A--「私」「私たち」と最も似ているパク・サンギュがそうだ。 私はやはり正しいこととそうでないことの間で彷徨うしかなかった時代を生きたし、パク・サンギュのように簡単に決められなくて、決めたとしても行動もろくにできなかった。 自己合理化だが多くの30代、40代がそのような若い時期を過ごし、また今の若者たちがそのように生きていると思う。 すでに若い時期が過ぎてしまった30代、40代と今の若者にパク・サンギュという優柔不断でもどかしい姿を見せてあげて自身を振り返ることができる場所を用意したかった。 そして敢えてこれからどうやって生きていくのが正しいのかと一度考えるようにしたかった。

作家インタビューアンネサン2.jpg


Q--アン・ネサンが演じた王は独特だった。 疲れていて、不安がっていて、焦っているように見えた。 台本を書く当時のキャラクターはどのように定めたか?

A--個人の内側の復讐心を抑えようとする君主、既得権に対抗して自身の改革の意志を実行に移そうとする君主、挫折するがそれでもあきらめようとしない君主、この程度が台本に書いた当時のキャラクターだった。しかしアン・ネサン氏は台本それ以上の正祖を見せてくれた。それは台本を跳び越える俳優の個人能力が発揮されて出てきたものだと思うが、「漢城別曲」ではアン・ネサン氏をはじめとして多くの人々が演技とは何であるかを直々に見せてくれたと思う。

Q--作品と共に「漢城別曲」はアン・ネサンという俳優が注目された作品になった。アン・ネサンという俳優はどのようにキャスティングされるようになったのか?

A--一部の報道で伝えられた通り、クァク・ジョンファンPDがKBSドラマ「四捨五入」の打ち上げの席にやって来たアン・ネサン氏にお願いしてキャスティングがなされた。私も台本修正のためにクァク・ジョンファンPDを訪問して同席することになった。個人的に映画「淫乱書生(※邦題:恋の罠)」を見て国王の役にアン・ネサン氏がいいなと思っていたところだったのでクァク・ジョンファンPDを手伝うようになってしばらくして出演が確定したという消息を聞いてとても嬉しかった記憶が思い出される。

Q--チン・イハンやキム・ハウンのような新人たちが主役を演じた。それについて不安はなかったか?

A--新人俳優が主演するようになるということは、聞いていただけでキャスティングについては私の知るところではなかった。既に前作「彼らの真実」で新人俳優達と一緒に良い演出力を見せてくれていたと思ったので新人俳優だろうが、既存俳優だろうがクァク・ジョンファンPDがちゃんとしてくれると信じていた。 (…その2へつづく

原文はこちら↓
http://www.tvreport.co.kr/cindex.php?c=news&m=newsview&idx=18341

◆単語ノート◆
・명품사극(ミョンプンサグク/名品史劇)…極上時代劇
・한눈에 받다(ハンヌネ パッタ)…注目を集める
・폐부를 찌르다(ペブルル チルダ)…肺腑をえぐる
・이제 처용은 춤추지 않는다(もうチョヨンは踊らない)…KBSドラマシティ第270回2006.03.11放送 出演:チェ・ジュニョン、キム・ギュチョル、ユ・ヘジョン
・그들의 진실(彼らの真実)…KBSドラマシティ2006.06.03放送 出演:キム・ギョンイク、チェ・ミョンギョン、リュ・チャンウ、ホン・イェイン、ハン・ドンファン
・이앙법(イアンボプ/移秧法)…田植えの方法=苗代で苗を育てた後に田植えを行って稲を育てる稲作法


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