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「根の深い木」監督インタビュー「千篇一律ドラマのカラーを変えたかった」 [【韓国ドラマ】根の深い木]

新春大蔵ざらえ!「漢城別曲-正」に続き、もう一つ半年位前に訳しておきながらご紹介しそびれた記事をご紹介いたします。

今回は「根の深い木」の監督インタビュー記事です。今思い返しても印象的なドラマでした。最終回は突っ込みどころ満載でしたが…。また時間があればゆっくり見てみたいドラマです~。

そういえば最近相次いてガイドブックや特集記事など「根の深い木」の関連本も色々発売されていますね~。

根の深い木 ~世宗大王の誓い~ 韓国ドラマ公式ガイドブック

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もっと知りたい! 韓国TVドラマ vol.52 (MOOK21)

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拙い訳ですが記事訳はこちらから↓
  

PDジャーナル(HOME)>ニュース>メディア&人>インタビュー
「千篇一律ドラマ、カラーを変えたかった」
[インタビュー]SBS<根の深い木>チャン・テユPD

2011年12月27日(火)21:14:22 パク・スソン記者
 
「ハングル創製を物語るドラマも視聴者たちが面白く見てくれたらいいなという願いから出発しました。こういう物語がウケないのならドロドロ系のドラマでないふりをしたドロドロドラマを作らなければならなくて、サクセスストーリーでないようにまたキャンディ・キャンディの物語を作らなければならないじゃないですか。千篇一律的な韓国ドラマのカラーを変えたいという演出者の欲でした。」

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▲2011年最高のドラマとして数えられているSBS<根の深い木>を演出したチャン・テユPD


今年(※2011年)最高の話題作SBS<根の深い木>を演出したチャン・テユPD(※program directorの略でドラマの演出をする監督のこと)が今回の作品を引き受けた理由は予想外だった。キム・ヨンヒョン、パク・サンヨン作家が<根の深い木>を通して「言葉は権力」と言うメッセージを伝えたかったのなら、チャンPDは世の中を入れる器が様々だったらいいのにという願いをこのドラマに込めた。

ドラマのPDとして一種の挑戦という訳だ。そして我々のドラマ制作環境を考慮するなら「大義」に近かった。26日<根の深い木-解例本>の編集を終えたばかりのチャン・テユPDにソウル木洞のSBS社屋で会った。

ハングル創製のミステリーという素材を映像で具現する作業は容易ではなかった。<根の深い木>は人気ドラマ興行の定石からかけ離れたドラマだった。

「視聴率は絶対多数の大衆が作るため、理性より感性に訴えかけなければなりませんが、我々のドラマは最初から感性をあきらめました。そして中盤からはハングルをなぜどのように作ったのかという説明をしていきます。普通このようなファクト(事実)はドラマの素材になったとしてもあらすじにはなりません。しかし李祹(※イ・ド=世宗)の哲学であり、ドラマをやる理由でもあったためにそのまま押し通したのです。」

◆実体のない物語を見せる方法=教科書に出てきそうなこの物語に視聴者たちの耳を傾けるようにさせたのは李祹役を演じたハン・ソッキュの功が大きかった。

「驚くべき演技を毎回1、2度ずつ見せてくれました。例えばいきなり立ち上がって『集賢殿の学士がまた死んだ』と怒鳴りつける場面がありましたが、台本のト書きには立ち上がるとか大声を出すという内容はありませんでした。かなり遠くからの距離でもエネルギーが感じられる程に声が大きかったのです。」

「上質」という賛辞は李祹だけでなく、姜彩允(※カン・チェユン=チャン・ヒョク扮)、鄭基準(※チョン・ギジュン=ユン・ジェムン扮)などドラマを率いて行く主助演の好演が後押ししたので可能だった。またチャンPDがキャスティングに重点を置いた結果でもある。 

「実体のない物語をするドラマだったために俳優が重要でした。キャスティングだけに5か月かかりました。俳優同士の調和と連続劇でめったに見られない新鮮な俳優たちを探すのにかなり苦労しました。」

チャンPDは前作で見せた演出スタイルと演技者の弾ける演技を最大限自制した。代わりに物語と台本に現れる作意を伝える部分に焦点を合わせた。コンテは台本の伝達に、カメラは俳優の演技に集中した。台本を上手く表現するために多様な演出技法も駆り出された。

李祹と鄭基準がチョンユン岩で最後の討論を繰広げる場面は20分間対話のみで引っ張っていかなければならなかった。「長いシーンをどのように表現すべきか悩んで下さい」という作家の言質も事前にあった。退屈になってしまう対話シーンにピンと張りつめた緊張を持たせるのは全く演出者の役目だった。

「全く同じセリフを様々な角度から撮って感情ラインが乱れたらもう一度撮影しました。1時間撮影すると編集するのにも1時間かけました。音楽とカット、そして正確な演技の瞬間を一度に伝えるための目的でした。」

時代劇では初めて映画撮影に使われるALEXAカメラを使用したことも視聴者たちを俳優の表情と感情に入り込ませる装置だった。深みと立体感が際立つ長所を積極的に活用したのだ。

◆「次期大統領からこれも見えたら」=他の不安なしに演出だけに集中できたのは「これ以上良くできない」と表現した制作環境のお蔭だ。キム・ヨンヒョン、パク・サンヨン作家は放送2週前に台本をあらかじめ送ってきた。最終シーンまで<根の深い木>に「紙切れ台本」はなかった。次の話を念頭に入れて撮影したので演出も一層楽だった。

<根の深い木>は現実の政治に婉曲的に多様な解釈が出てきたりした。作家たちは再三政治的な意図はなかったと線を引いた。演出を担当した彼はどうだったのか。

「視聴者たちがそんなふうに追い立てるのはドラマを見る面白さを倍増させる要素でした。ドラマの隠れた陰謀を暴くためのものではなかったでしょう。ただ次の大統領を待っている視点から大統領になる人に李祹が見せてくれた意識が見えたらという願いはありました。このためには国民の役割も重要です。」

◆「独歩的フィルモグラフィー」=個人的に<根の深い木>は演出者として独歩的なフィルモグラフィーを磨いてくれた作品でもある。<銭の戦争>、<風の絵師>に続く秀作として数えられる作品が彼の手によって誕生したという側面からしてそうだ。その上二つの作品で主演を担当した俳優が皆演技大賞を受賞し今年(※2011年)の演技大賞はハン・ソッキュが有力候補と論じられている。 →※ハン・ソッキュ氏は2011年SBS演技大賞を受賞

<根の深い木>の成功は彼の致命的な弱点を一部克服したという意味もある。残念な結末は彼のドラマを愛するファンたちがずっと指摘してきた問題だった。

「今回の作品は半分成功したようです。撮影や編集に残念な部分はありますが、基本的な過程は全て含んだ結末だったからです。以前は台本待ちで撮影できなかったり編集する時間が足らない状況に直面したりしました。本来の作品意図を自然に伝えるのに成功したようで個人的に満足しています。」

相次いでヒット作を提供するうちに彼は次の作品を期待されるPDになった。

「個人的に<プリズンブレイク>のようなドラマやSciFiファンタジージャンルの物語が好みです。会社では低予算高効率ドラマを勧めていますが。<不良主夫>のような生活ドラマをやるようになってもキャラクターが生きているモキュメントリー方式のドラマに挑戦したいです。」

記事原文↓
http://www.pdjournal.com/news/articleView.html?idxno=33629#


【単語ノート】
・천편일률(チョンピョンニルリュル/千篇一律)…多くの物事がみな同じ状態で変化がなく面白味がないこと。
・막장드라마(マクチャンドゥラマ)…ありえない設定、展開のドラマ。ひどい状況まで行き着くドロドロしたドラマ、復讐劇
・뿌리깊은 나무 해례본…根の深い木 解例本(プリキップンナム ヘレボン)2011.12.26~27にSBSで放送された<根の深い木>の総集編(全2回)。翌2011.12.28には제자해(制字解)というスペシャル番組も放送された。
・독보(トクポ/独歩)…他に並ぶものがない程優れていること
・필모그라피(ピルモグラピ/filmography)…フィルモグラフィ―(作品目録)
・모큐멘터리(モキュメントリ/ Mockumentary)…架空の歴史や事実を、まるでドキュメンタリーであるかのように語る演出・撮影技法


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