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「雲が描いた月明かり」フォトエッセイより [【韓国ドラマ】雲が描いた月明かり]

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ドラマ終了後に発売された「雲が描いた月明かり」フォトエッセイ。私はO.S.Tと一緒に韓国サイトで購入しました。
思ったよりも写真部分が多く、それも主人公ヨンとラオンが中心で、あとユンソン、ビョンヨン、そしてハヨンの写真で構成されていました。見事にその他の登場人物がメインの画像は一枚もありませんでした。それでもページをめくるだけでドラマの様々な場面が思い浮かびます~
フォトエッセイですが、文章はほんの少しだけでした。その中でキム・ソンユン監督の言葉がとても興味深いものだったので、その部分だけ日本語訳してみました。
 
 
キム・ソンユン監督

◇原作小説からドラマまで◇

全5巻の原作小説のうち1,2巻を読んでみましたが、セリフや状況に没入感がありました。「男装女性」の設定は今までもたくさん出ていたので見慣れたものでしたが、様々なエピソードが面白かったです。キャラクターに変化を与えればやってみる価値がありそうだと思いました。「フーアーユ-学校2015(*邦題:恋するジェネレーション)」を一緒にやったキム・ミンジョン作家が青春ロマンスをお好きなので2015年秋から一緒に企画するようになりました。


◇ドラマ「雲が描いた月明かり」の魅力◇

王世子と男装内侍なので、2人が自然に近くで過ごすことになるところ、そして恋愛路線の発展プロセスでお互いが身分を隠していて、その秘密を一つずつ明らかにしていく過程は、視聴者が十分に面白さを感じられると思いました。

ただ、小説よりもっとドラマチックに対立構図を作ろうと、それぞれのキャラクターと葛藤、ストーリーラインに変化をつけました。キャラクター毎に対処するジレンマや追及する価値をよりはっきりと見せようとしました。例えば、原作での白雲会は王世子イ・ヨンの味方でしたが、これを平等な世の中を夢見る勢力として持ってきました。王世子イ・ヨンと護衛武士ビョンヨンのブロマンスやジレンマを浮き彫りにする方式として。それらがドラマをより立体的にしたようです。

また、基本的にはロマンチックコメディ時代劇という触れ込みだったので、愉快で溌剌としたエピソードを序盤に配置したのが若い視聴者たちにも功を奏したようです。


◇脚色の主眼点◇

初めて孝明世子という人物に接した時、制作陣のプレッシャーが大きかったです。それで純祖(*ヨンの父)を仮想の王へ、キム・ジョスンという実在人物はキム・ホンという人物に再設定して原作に対するプレッシャーから逃れ、現代的なイメージを与えようとしました。「君主ならばこうであるべき」という既存の枠から抜け出し、視聴者たちに「この時代の君主はこうであればいいな」という程度の共感ができればと思いました。特に王の物語ですが母性愛や父性愛のような一般的な感情を通して人々が容易に共感できるよう表現しようとしました。幸いにも作家様たちがうまく書いてくださったので、きちんと表現できたのだと思います。

実は「イ・ヨン」の名前も変えようとしましたが、原作のファンたちの抵抗感もあり、世子役のパク・ボゴム氏も「イ・ヨン」という名前でいくことを望んでいました。考えてみるとドラマで「イ・ヨン」が自分の名前を明かすところが重要な転換点になるので、そのまま生かすことにしました。お陰で「イ・ヨンだ。私の名前」は視聴者たちが好きな名台詞の一つにもなりました。イ・ヨンは原作では「冷徹な美男」のキャラクターですが、ドラマへ移す際にトレンドに合わせ「ツンデレキャラクター」にしました。心の中に外戚を追い出そうとする剣を抱き、仕事をする時は冷徹であるが、一方では余裕が感じられる、相反する魅力のカラーを与えました。

キム・ユンソンにもちょっと挑発的でセクシーな雰囲気を付け加えました。毒々しい中殿も原作では最初から存在しない人物ですが、アンタゴニスト(敵対する人物)が必要で、新しいキャラクターを入れドラマチックな要素をプラスしました。


◇俳優のキャスティング、彼らとの呼吸◇

当然大満足です。多くの言葉はいらないようです。かわいく、カッコいい俳優たちが演技までちゃんとしてくれて、感謝するばかりです。

実は、パク・ボゴム氏は初めて挑む単独主人公で、ジャンルが時代劇なのでプレッシャーも大きかったのです。ところが回を重ねるごとにキャラクターと一体になり、本人ならではの色に染まった演技を見せてくれて、紙面を通してもう一度褒めたいです。冷徹で暖かい、時にはコミカルな姿、ゆるい演技を見せるために相当努力しましたし、その部分がイ・ヨンの魅力を最大限引き出せたとのだと思います。現場でいつも明るく挨拶をして肯定的なエネルギーを与える人なので、おかげで息の合った俳優たちとスタッフたちが、きつい日程の中一緒に笑顔で作品に臨むことができました。

ホン・ラオンのキャスティングにはかなり苦労しました。何よりドラマ序盤で男装女性ホン・サムノムが占める比重が大きかったので余計に大変でした。けれどもそれは杞憂に過ぎませんでした。キム・ユジョンさんはホン・サムノムとホン・ラオンを行き来しつつ立体的なキャラクターを本当にうまく演じてくれました。ユジョンが10代だったので少し憂慮しましたが、恋愛のシーンも6話でホン・ラオンが牢に入れられた場面でイ・ヨンと会った時、感情を淡々と打ち明けるのを見て、本当にうまいと褒めました。お互いに見つめるシーンで2人のまなざしがとても良かったです。視聴者も反応して下さって何よりでした。

キム・ユンソンの役とキム・ビョンヨンの役も実際のところ表現するのが難しいキャラクターでした。外戚の家柄と友情の間での悩み、片思いの苦しみをジニョン氏がうまく表現してくれましたし、アイデンティティについて感情表現を見せなければならないビョンヨンの役も、クァク・ドンヨン君が期待以上にうまくやってくれてドラマの人気に大きく寄与してくれました。ドラマ終盤に世子に刀を向け形勢逆転のエンディングを見せたシーンがクァク・ドンヨン君の演技の真骨頂ではないかと思います。チェ・スビン氏が演じたチョ・ハヨンはしっかり者の新しい女性として、次第に片思いが深まる感情を特有の魅力でうまく表現しました。

何より満足だったのは内侍府のキャスティングでした。尚膳役のチャン・グァン先生をはじめソン内官のチョ・ヒボン、チャン内官のイ・ジュニョク、マジョンジャのチェ・デチョル、トギとソンヨルに至るまで内侍府の「幻想のカップル」がドラマをより豊かにしてくれました。もう一度この方々に無限の感謝申し上げます。


◇記憶に残るシーン◇

多くのシーンがありますが...特に4話、王の40歳の誕生祝いの宴をしたシーンがとても記憶に残っています。視聴者にも好評だったラオンの独舞シーンもその中に含まれます。三日がかりで扶安(プアン)のセット場で撮影しましたが、とにかく8月の第1週目だったのでとても暑かったです。蚊も非常に多かったですし。(^^)

視聴者に好評だった5話の風灯を飛ばすシーンは実際に、南原(ナモン)、順天(スンチョン)、栄州(ヨンジュ)など全部で3か所で別々に分かれて撮影したものを一つにまとめて編集したシーンです。その日も思いましたが、我々の美術・小道具チームは本当に最強だと言っておきたいです。

そして6話、ラオンを救出するエンディングの夕日のシーン、11話ラオンが母と再会するシーンなどが記憶に残っています。12話の殺陣の演技を繰り広げるシーンでジニョン氏とボゴム氏がアクションシーンを期待以上にうまくやってくれて驚きました。アクションシーンが当然多いドンヨン君は、ヨンの護衛武士としてアクションシーンを見せなければならない役なので体力的に大変な部分も多かったのですが、黙々とうまくやってのけていつも頼もしかったです。


◇話題になった映像美に関して◇

青春ロマンス時代劇なので、基本的に野外でのシーンは明るいトーンと清涼感を維持しようとしました。実は撮影の序盤が梅雨の時期と重なり、自然光を十分に生かせませんでしたが(^^)時代劇なのでセットのトーンは落として照明で雰囲気を出しましたが、とりわけ満足した部分でした。

その部分は私一人では到底不可能なことです。各分野の最高のスタッフを集めようとかなり努力しましたし、その方々が一緒になって汗水たらしたので成し遂げられた成果です。セット場の隅々まで繊細に神経を行きわたらせた小道具、色彩感覚の優れた衣装、精巧な扮装、美容などを多くの視聴者が認めて下さったのでスタッフたちがもっと頑張れたようです。


◇Special Thanks To◇

この紙面をお借りして、昨年一年間、非常に苦労なさった脚本のキム・ミンジョン様、イム・イェジン様、お二人の名台詞があったので名シーンを誕生させることができました。映像美と共に現場をしっかりと支えて下さった撮影監督のキム・ソヒョン様、イ・ミヌン様、この方々のお陰で酷悪だった暑さの中で撮影を無事に進めることができました。本当にありがとうございます。最後に見事に演出を手伝ってくれた同僚PDのペク・サンフンさん、カン・スヨンさんにも感謝しています。

(日本語訳:花かんざし)
  
「雲が描いた月明かり」フォトエッセイp.303~307より



 


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