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素晴らしい助演者たち [【韓国ドラマ】ベートーベン・ウイルス]

韓国ドラマ「ベートーベン・ウイルス」には素敵な助演者たちがたくさんいました。そんな助演者たちを紹介した文がソ・ヒテ教授の本に書かれていました。
『ソ・ヒテのクラシックトーク ベートーベン・ウイルス』中の「私が見た〈ベートーベン・ウイルス〉監督、そして俳優たち」の中から一部をご紹介いたします。

それから、ちょっと長文になりますが、最後に助演俳優たちのその後の情報を少し書きました。

✤アドリブの鬼才、パク・チョルミン氏✤
撮影場の人気者、芸達者と言えばやはりペ・ヨンギ役のパク・チョルミン氏だった。トランペット奏者として出てくるパク・チョルミンはアドリブの天才。

「オフムフム ウホホホム クフフフム」という空咳をしながら,
「サガジヤパガジヤ?(礼儀知らずかひさごか?)」
「ああしたりこうしたり、いたずら小僧でもなくて暴君ネロか何か?」
「単刀直接的に言おうとすれば、単独住宅的に言おうとすれば」
「工事のせいでみんなやりにくかったんだ。漢字成句もあるじゃないか公私多忙」などなど。
言葉さえ出れば笑わす愉快な演技者として、欠かすことの出来ない役割をしっかりと果たした。

プルグァン洞「トンテルパパ」でトランペットを吹いていたぺ・ヨンギが、古典音楽界へ進出しながら繰り広げられるあらゆるエピソードが、ドラマの味をつける薬味として十分に作用した。

✤自然な甘草(欠くことのできない)演技者達✤
コントラバス奏者パク・ヒョックォン役として出ているチョン・ソギョン氏は1971年生まれで風貌に比べて比較的若い人だ。本当は未婚だが子供が23人はいそうに見える風貌のために課長の役割が一層実感された。限りなく庶民的な風貌の隣のおじさんのような男性。まるで演技ではなくそのまま一般人がドラマの中にいるようだった。

誰かがこんなことを言った。ドラマの中で俳優が見えたらそれは上手な演技ではないと。ところでチョン・ソギョン氏はチョン・ソギョン氏が見えなくてパク・ヒョックォンだけ見えた。彼の自然な演技は本当に感動的だった。チョン・ソギョン氏はドラマをやるうちにコントラバス魅力を感じ、続けてコントラバスを習っているところだ。

また動物病院院長でもあり、クラリネット奏者として出ているキム・イク氏は人間が本当に善良で、心根も良くてチームの雰囲気をいつも和やかに導いた。いつも他の人に配慮して、他の人が先に行けば自分がわきまえてあとに残り、整理していく真面目は俳優だ。

主婦チョン・ヒヨン(ソン・オクスク)の演奏代演はチェリストのキム・ミョンジュさん、トゥ・ルミ(イ・ジア)の代演はヴァイオリニストのソン・ウォンジンさんとキム・ユンジョンさん、トランペットカン・ゴヌ(チャン・グンソク)の代演はハン・ソンソク氏。これらの人々は皆実際の演奏者たちだ。

ところで直接演奏している演技者たちもいたのだが、その人は親友同士のヴァイオリニスト、ジュヨン(チョ・セウン)とジュヒ(パク・ウンジュ)だ。二人は俳優オーディションを受けた時に抜擢された演技者たちだが、演奏しながら演技も出来る人は非常に珍しかった。ところで、チョ・セウンさんはオーディションの時すでに私たちの心を完全に捉えてしまった。
「私は実は電子ヴァイオリンの方がもっと上手に弾けるんですよ」
そうして即席でアンプをつなぐと演奏を始めた。

その席にはイ・ジェギュ監督と私、キャスティング担当など男性8名がいたのだが、チョ・セウンさんが演奏を始めると皆、口を閉じることが出来なかった。チョ・セウンさんは「ベラトリクス」でシンビという名前で活動している演奏者だったのだがミニスカートを履いて、エレキヴァイオリンを持ち縦横無尽に人の魂をわしづかみする演奏をするのだが、皆感嘆の声を爆発させた。
「まさにあれだ!」
ヴィヴァルディの「四季」より「夏」を躍動的に演奏するその場面をドラマにそのまま挿入させた。

また、パク・ウンジュさんもオーディションの時、審査員の愛をたっぷりと受けた。愛嬌があって、やさしくて純粋な彼女も知ってみれば苦難が多かった。家庭事情により高校も卒業できなくなってしまったのだが、自分で稼いで卒業し、大学は奨学金の貸付を受けて勉強した境遇だ。ヴァイオリンを演奏しながら「私はトロットの演奏も出来ます」と言いながら歌まで歌って審査員たちを楽しませた。

パク・ウンジュさんはMBC管弦楽団の団員だったが、ドラマをやりたくてオーディションに参加したが、管弦楽団から二つの内一つを選べと言われた。すると3年もしてきた管弦楽団を離れてドラマに参加した。パク・ウンジュさんは多情多感でやさしくてほがらかなので、ドラマチームの雰囲気をいつも明るくしてくれた。

そうかと思えば、認知症が進行して行く老人の演奏者イ・スンジェ先生を追い回すイドゥン(ハ・イドゥン)役はヒョン・ジュニさんが引き受けた。ヒョン・ジュニさんは演技者として「ベートーベン・ウイルス」が初作品だ。皆初めてだと信じられなかった。それくらい自然だった。目上の人にもパンマルで食って掛かる天方地軸(お転婆)なイドゥン役にはヒョン・ジュニさんが適任だった。

ヒョン・ジュニさんは弘益大学前で女性バンド「ベラマフィア」のボーカルとして活動中だった。ある日ヒョン・ジュニさんを発見したイ監督が言った。
「非常に満足のいく物件を一つ見つけた!」

このように現場キャスティングしたヒョン・ジュニさんはドラマの中のハ・イドゥンのように性格が溌剌、明朗、快活だった。撮影場でもイ・スンジェ先生をチョロチョロと追いかけながら演技を学ぶ姿が見ていてとても良かった。

「ベートーベン・ウイルス」が私にくれたもの…その中で人々以上があるだろうか。こんなに良い人々をドラマを通して知るようになったことが本当にとても嬉しい。

     【ソ・ヒテのクラシックトーク ベートーベン・ウイルス より】

✤ ✤  ✤ ✤  ✤ ✤ ✤ ✤  ✤ ✤  ✤

ぺ・ヨンギのアドリブの中の、「
サガジヤパガジヤ?」についてですが、まず、「싸가지サガジ」とは元々は(サク)+아지(アジ)で、(サク)싹수(サクス)〈兆し、芽、望み〉のサクで、아지(アジ)강아지(カンアジ)〈仔犬〉のアジで幼いことを意味します。サガジは人の将来がよくなる兆候という意味で、「サガジがない」という言い方で礼儀をわきまえない人のことを指すそうです。ちなみに反対に「サガジがある」とはあまり言わないそうです。

ところで最近、映画やドラマで「サガジがない」男性主人公たちが「サガジ」と呼ばれているようです。ドラマ中で携帯電話の登録名に「サガジ」と名づけられている主人公を沢山見かけます。

もとは「サガジがない」が礼儀知らずだったのに、「サガジ」が礼儀知らずと言う意味にもなってきて、本来の意味が逆転して使われているようです。日本語も多くの人が使っているうちに言葉の意味が変化することがありますが、韓国語も同じようですね。

次の「パガジ」ですが、日本語では瓢(ふくべ)、ひさごなどと呼ばれています。夕顔(瓜)の実の皮は干瓢になりますが、この夕顔()の実を二つに割って中身をくりぬいて乾燥させたものが水汲み用具として昔から使われているひさご(パガジ)です。韓国の時代劇で水を汲んだりする場面でよく出てきます。

結局、「サガジ」「パガジ」の二つには関係はありませんが、似たような言葉を並べて遊んでいるという感じでしょうね。「礼儀をわきまえない人」に対してよく「싸가지가 바가지 サガジガパガジ」というように使われているようです。

あと、「工事のせいでみんなやりにくかったんだ。漢字成句もあるじゃないか公私多忙」はハングルで書くと分かります。「
공사 때문에 거야.공사다망 (工事のせいでみんなやりにくかったんだ=公私多忙)

話は変わりますが、ベバに出演した助演の皆さん、その後も順調に活動を続けておられるようですね。

電子ヴァイオリン奏者の二人はそれぞれ演奏活動を続けているようですし、ハ・イドゥン役のジュニさんは映画「国家代表」と「空と海」に出演で大忙しですね。ドラマ「アイリス」にも出演するというニュースもありました。

ベテラン俳優陣ではガビョン先生ことイ・スンジェ氏とパク・ヒョックォン役のチョン・ソギョン氏はドラマ「明日に向かってハイキック」*に出演中です。チョン・ヒヨン役のソン・オクスクさんは先週から始まった新ドラマ「君、笑います」に出演中。トーベンの主治医だったキム・イク氏はドラマ「お嬢さんをよろしく」*に出演中だとか。

それからアドリブの鬼才パク・チョルミン氏はドラマ「地面にヘディング」に出演中です。ゴヌことチャン・グンソク君の新ドラマ「美男子ですね」*は今晩からですよ。

ベバ出演俳優陣の活躍を知るとなんだかとても嬉しくなります♪

追記 *ドラマの日本語タイトルを修正しました。(10/7)
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真琴

花かんざしさんこんばんは~♪

うわあっ素敵な記事掲載ありがとうございます!ちょっと想像(妄想)の世界をさまよってました☆が、今日届いた吹き替え版の特典映像で、おなじみのNGシーンやメイキングを字幕つきで見てうきうきしていたところです。

ヨンギさんがかなり苦手だったんですが、咳払いの理由がわかって好きになりました。まだプレミアム版の特典映像を見てないんですけど、吹き替え版の方は129分で見ごたえがあります♪ イドゥン役のジュニさん、ヒョックォン役のソギョンさんの撮影秘話もよくわかって嬉しいです。みんな本当にわきあいあい♪ 打ち上げのときの名残惜しそうな雰囲気に胸がキュンとしました☆

グンソクくん活躍してるんですね。ドラマの制作発表のときになぜかミョンミンさんの名前がでてましたが、私には意味がわかりませんでした☆少し前にスンジェ先生のキスシーンも話題になってましたね。ところでジュンジン氏はどうしてるかしら?韓国に行く機会をもてるのなら会ってみたい(できれば2ショット写真が欲しい・笑)のはなぜだかジュンジンさん、なんですけど(笑)

脇役のバランスがとてもよかったですよね~。サガジの説明や、細かい秘話を読むことができて嬉しいです♪彼らの活躍を知ることができると、いち視聴者だというのに本当の仲間たちが活躍するのを喜んでいるような不思議な気分になってしまいます♪
by 真琴 (2009-10-07 23:51) 

花かんざし

真琴さん、おはようございます♪コメントありがとうございます。
台風ですね~~。まるで10話の公演の時のようです。
今、凄い風と雨なのですが、台風による様々な影響が心配です。

赤い眼鏡のホルン奏者ジュンジン氏ですね。
その後も舞台中心に活躍なさっているようですが、調べてみたら、
なんと今日からソウルのアルコ劇場で舞台「뱃사람 船員」に出演のようですよ。
サイトはこちらです。
http://artstheater.arko.or.kr/performance/main_hall.asp?bt=v&id=404&from=B

この作品は日本でも「海をゆく者」というタイトルで上演されるようです。

ペ・ヨンギ、トランペットなのにあの咳払い…私も初めの頃は苦手でした。
でも、だんだんそういうキャラクターなんだとわかってきました。
ドラマ後半は練習中に自分の席で指揮者のように手を振っている姿にいつも笑っていました。
感情表現が豊かで、憎めないキャラクターでしたね。一番のアドリブはなんといっても、カン・マエ看病のあのシーンでしょうか^^

by 花かんざし (2009-10-08 07:21) 

真琴

花かんざしさん、こんにちは♪

台風どうでしたか?なにごともないといいのですが。たくさんの方々が大変な状態になったようですね。

はい、ジュンジン役イ・ミョンホさん、でしたっけ。情報ありがとうございます~♪準主役で出演した「散策」というDVD、日本でも見れるようですね。 漢字だと「李」と書くのでしょうか。たくさんあるお名前のようですね。そうですね。日本でもこの戯曲の舞台が小日向さん主演で11月から公演が始まるようですね。楽しく情報収集しました、ありがとうございます♪

そう、ヨンギさんは、アドリブの天才!でも、あの場面で噴出さなかったミョンミンさんは、本当にえらいですよね♪
by 真琴 (2009-10-08 15:57) 

花かんざし

真琴さん、こんにちは♪コメントありがとうございます。
こちらでは台風は思ったよりもすんなり通過したようです。
でも、各地で被害も出たようで…
自然の力の大きさを前にすると人間のしていることって本当に小さな営みなんだと痛感します。

さて、イ・ミョンホさん情報。お役に立ててよかったです。
映画やドラマと違って、舞台俳優さんは直接お会いできる確率が高いですよね。
もし韓国へいらっしゃる時は、舞台の公演情報も要チェック!

上の記事の追加ですが、イ・ミョンホさんの情報を集めている時に、カン・マエのライバル、チョン・ミョンファン役のキム・ヨンミンさんがヒットしまして、もう少し調べてみたら、なんとミョンミン氏と同じ時期に公開された映画「炎のように、蝶のように」に出演されていましたよ!

それから、ジアちゃんも情報がありました。
日韓合作の映画?ドラマ?カン・ジファン氏との共演で、イ・ジャンス監督、大石静脚本の作品が、11月5日に韓国で公開されるようです。
「顔と心と愛の関係」という仮題だったと思いますが、
韓国での題名が「내 눈에 콩깍지 ネ ヌネ コンカクチ」となっていて、
直訳すると「私の目に豆のさや」!?なんですが、「あばたもえくぼ」のような意味だと思います。
日本でも放送される日が近いのでしょうか。とっても楽しみです。

by 花かんざし (2009-10-09 12:36) 

真琴

花かんざしさん、こんばんは~♪

ジアさん情報ありがとうございます♪李さんですものね。
ペバで検索しましたら、ざっくり出てきました。一番の情報は8日付のスポーツ朝鮮です。19日から始まるらしい、東京ドラマフェスティバルの作品賞候補にペバが挙がっていて、どうやら20日には上映もされるようです。それを控えて、ジアさんはどうやら休みもかねてなのか、来週末に来日の予定のようなんです!

来月公開予定のカンジファン氏との共演作、面白そうですね♪
一時的視覚障害で、ジアさんがブスの役とは!?記事で面白かったのが、主人公の男性のことを「魅力、財力、能力、いわゆる'3力'の両方を備えたワンビョクナム」という言葉です。ミョンミンさんに対してはフンナム、とかワンソナム、というのを見たことがありますが、男性をあらわす言葉が日本同様いろいろあるんですね~♪

「炎のように・・」は制作費がネサギョの倍くらいかかっているらしいので、興行的に成功するといいな、と思いました。ちょうど、グンソクくんの主演映画・・「なに??殺人事件」だったか題名を覚えてませんが・・の公開のころ、ミョンミンさん、グンソクくん、ヨンミン氏が「ペバ三銃士秋の映画決戦」というような記事があがっていて、ファンの間で話題になりました。ペバ三銃士、というネーミングに、記憶に残るドラマとして愛されてるんだな~、とつくづく感じたものです♪
by 真琴 (2009-10-09 18:06) 

花かんざし

真琴さん、こんばんは。
コメントありがとうございます♪

ジアちゃんの来日情報もありがとうございます。
日本の「国際ドラマフェスティバル」の公式サイトではまだ来日情報が出てないようですが、ベバを含む海外4作品の上映会とプロデューサー、監督などのインタビューがあるそうですね。そこにジアちゃんが!?20日ってもうすぐですよね。

ワンビョクナムはそのままで완벽남(完璧男)ですね。
フンナムは훈훈하나(フンフナダ)「暖かくてぽかぽかしている」+남자(ナムジャ)「男」=훈남(好感度の高い癒し系男)、フンナムというと私は「白い巨塔」や「コーピープリンス」のイ・ソンギュンさんが思い浮かびます。
ワンソナムは완전 소중한 남자(ワンジョン ソジュンハン ナムジャ)「完全で大切な男」の略ですって。
韓国語も日本語と同様に色々と言葉を略した新語が登場しますね!!

グンソク君の映画は「梨泰院(イテウォン)殺人事件」ですね。とても怖そうな映画なのですが…

「ベバ三銃士」そんな言葉まで!
本当に愛されたドラマでしたね。そして、ベバ出演陣がその後も第一線で活躍中とわかってとっても嬉しい気分です。
by 花かんざし (2009-10-10 00:40) 

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