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母なる証明(原題:마더マド) [【韓国映画】その他]

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先日、韓国映画「母なる証明」を観てきました。ひと言でいうと「母」で始まり、「母」で終わる映画でした。息子トジュンのことを何が何でも守らなければならないという強い母を演じたキム・ヘジャさんの演技に圧倒されました。
ミステリー映画でもあるので犯人探しをしていくのですが、後半は意外な展開が待っていました。冒頭の奇妙なシーンが最後の方で繋がりますが、その時の私の気持ちはとても複雑でした。
もし、観に行かれるのならあまり情報を入れないで見た方がいいと思います。以下も結末のネタバレはしていないと思いますが、まっさらな状態で見たい方はお読みにならないで下さいね。

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この映画ではこの母親にあえて名前がついていません。監督のこだわりでしょうね。


登場人物ですが、メインの方々についてはもう既に他で語られていると思いますので、「ベートーベン・ウィルス」関係者だけをご紹介します。

まずベバの1、4話に登場する嫌味なトランペット奏者クォン先生こと、ヨム・ドンホン氏はゴルフ場での一件で学長と一緒にいた教授役。
そして一度見たら忘れられないハ・イドゥンの父親役のイ・ヨンソク氏は古物商老人役で出演されていました。
ボラのオンマ(ヒョックォン妻)のファン・ヨンヒさんも殺害された高校生の親戚役で出演されていたようです^^

監督は386世代(1990年代に30代で、1980年代に大学生で学生運動に参加し、1960年代の生まれ)のポン・ジュノ氏。

今年の春にNHK教育テレビで放送された「韓流シネマ 抵抗の軌跡」という番組を見ましたが、最終回でタブーにも挑戦する若手映画監督として紹介されていました。「殺人の追憶」「グエムル」を見たことがありますが、この「母なる証明」も現代社会に対する監督の熱い思いが込められた映画だと思います。ドラマと違って約2時間という時間内にギュッと凝縮された分、とても濃密で強烈な印象を残す映画でした。

 

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鹿のような目を持つトジュン(ウォンビン)と悪友ジンテ(チン・グ)

さて、私のくだらない感想はここまでにして、韓国の映画サイトからのレビューを訳した文章をご紹介することにします。

シネ21 レビュー
苦労して真犯人を探す母の孤独な死闘<Mother
文:チュ・ソンチョル /2009-05-27

シノプシス(概要)
村で漢方薬材商を営んでいる母(キム・ヘジャ)にとって一人息子のトジュン(ウォンビン)はこの世の全てだ。年齢に相応ではなく、自分の身の回りのこともできない「足りない」息子トジュンはいつももめごとを起こしては母の気をもませる。

そんなある日、町内の一人の少女が殺害されて、思いもよらずトジュンが犯人として追われる。トジュンが持っていたゴルフボールが証拠として採択されたのだ。警察はトジュンが犯人ではないと分かっているようだが、急いで事件を終結してしまう。弁護士はお金だけ好み、警察は全く話を聞かないので、母は自力で事件を解決しなければと決心する。


<母なる証明>を見ながら即座に入った考え。<マラソン>のチョウォンが殺人事件に巻き込まれたら?あるいは<密陽>の母シネが真犯人を探しに出かけることにしたなら?

ポン・ジュノ監督の4番目の映画<母なる証明>はふと<殺人の追憶>の続編、または<殺人の追憶>で「ヒョンスク」だけ連発していたペク・グァンホのエピソードだけ引き出したスピンオフのように感じられる「苦労して真犯人を探す」ストーリーだ。

事件は迷宮入りして、警察はやはり無能で、母が頼れる処はただ一つ自分だけだ。

このように「熱い映画を作りたかった」というポン・ジュノ監督の言葉のように、<母なる証明>のキム・ヘジャは今までのポン・ジュノ監督映画で、最も感情移入の強度が大きい人物だ。彼の映画でこのように個人のクローズアップが大きい映画があっただろうか。

しかし、世間の壁は<殺人の追憶>の滑稽な警察や<グエムル>の無能は官僚たちのそれ以上で厚い。それとなく皮肉るような彼らの描写の強度は単純なユーモア以上で強い。

<殺人の追憶>のキム・レハのまた別のバージョンのように見える純粋は末っ子刑事は強圧捜査が行き詰まり、万事泰平な強力係班長は「殺人事件は何年ぶりだ?」と変人のことも気懸かりで、上手くいくという弁護士は極力事件を避けながら、ルームサロンで女を抱えたまま威張り散らかす。そのため母のキム・ヘジャを取り囲む環境はもどかしいことこの上ない。

意外に<殺人の追憶>と<グエムル>全てで1.85:1画面(ビスタ・サイズ)で撮っていた彼に<母なる証明>は彼の始めての2.35:1比率(シネマスコープ・サイズ)の映画だ。それは徹底的に「母の孤独な死闘」を扱うための手段だ。

老若男女はもちろん、外国人労働者も混じっている息子の現場再演を数多くの人々の隙間から茫然自失で見上げて、とうとう死亡者の葬儀式場に行き、相手に罵られたり、証拠を探したと言って警察署を一人で訪れる、その大変な孤独の瞬間を苦痛で熱く眺めてみる。

感情は熱いがまるでダルデンス兄弟(*2002年フランス・ベルギー映画「息子のまなざし」の監督)が<殺人の追憶>をリメイクしたような、ひんやりとした感覚で<母なる証明>を作ったというなら、おそらく最高の賛辞ではないだろうか。そうやってポン・ジュノ監督はさらに一歩前進した。

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◆関連サイト◆
韓国公式サイト(韓国語)
http://www.mother2009.co.kr/
*カンヌ映画祭の映像がトップにあります。ホームページは画面右下の「
마더의 모든것 홈페이지 입장하기>をクリック。

CINE21記事原文
http://www.cine21.com/Article/article_view.php?mm=002001001&article_id=56429

タグ:母なる証明
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真琴

花かんざしさん、こんばんは♪

ご紹介の映画(未見なので読んでいませんが)、昨日の青龍映画賞で、最優秀作品賞受賞でしたね!また、チン・グさんが助演男優賞受賞ですね。

ミョンミンさんがジウォンちゃんとご出席、ということだったので、KBSの無料視聴サイトの小さな画面を食い入るように見ていました。古巣の事務所契約満了を経ての独立宣言記事も出ていたその日、ジウォンちゃんとそろって最優秀主演賞受賞しましたね!心身を病み死に至ってもおかしくないほどの演技闘魂を見せたのに、あくまで謙虚な受賞スピーチがミョンミンさんらしく、印象的でした。

でも、私がミョンミンさんと同じくらい気になったのは、ミョンミンさんの前の席のソン・イジェンさんの美しさでもなく、ジウォンちゃんのすばらしいドレス姿でもなかったのです~。「美男ですね」のマ室長ことキム・イングォンさんでした~。ジウォンちゃんも出演したヘウンデで助演男優賞だったんですね~(ほかの映画祭でも受賞しているようですね)。ぜんぜん知りませんでした。

今日のシンガポールでのasian Ttelevision awards、われらがカンマエどうなるでしょうか?
by 真琴 (2009-12-03 21:07) 

花かんざし

真琴さん、おはようございます~♪
青龍映画賞、ミョンミンさんとジウォンちゃん、ともに主演賞を受賞されて本当によかったです。努力が報われて何よりでした。なんだかほっとしましたよ。

私も真琴さんと同じくマ・フニ室長ことキム・イングォンさんに目が行きました。人気があるのかよくアップになってましたね。二部の冒頭2PMのステージでは隣の席のイ・ミンギ君に何やら熱心に話しかけているマ室長の姿に笑ってしまいました。

「私の愛、私のそばに」も「海雲台」もまだ見てないので、早く日本で観られるといいですね。それからこの授賞式を見てますます「国家代表」と「グッドモーニング・プレジデント」が見たくなりました!韓国映画って凄いですね!

by 花かんざし (2009-12-04 09:07) 

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