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ベバ監督インタビュー記事その2「イ・ジェギュ ウィルス HAPPY VIRUS」 [【韓国ドラマ】ベートーベン・ウイルス]

韓国ドラマ「ベートーベン・ウィルス」の監督インタビュー記事訳その2回目です。

「ベバは交響曲ではなく協奏曲になったのか」と表現するシン記者、鋭い指摘ですね~。さすがプチ・フランスの入り口まで行かれただけのことはあります。

その後続く監督の言葉に「アンサンブル、ハーモニー」が出てきます。先日見た「のだめ」映画にも同じ言葉が出てきたので、あれっと思いました。だから印象に強く残ったようです。それにハルモニー(調和)が韓国語のハルモニ(お婆さん)と似ていたから余計に。。。

ELLE.co.kr > STAR > ENTERTAINMENT > TV > 20081212日付け記事より
イ・ジェギュ ウィルス HAPPYVIRUS(ハッピー・ウィルス)

シン・ギジュ記者(以下シン):元々はオーケストラの交響曲を考えていたが、結局カン・マエが率いる協奏曲になったということですか?

イ・ジェギュ監督(以下イ):だとしても、とても大きな差があったのではありません。ただ序盤の経験のせいで最後まで追い込むことができない人物が何人かいます。キム・ガビョン先生とハ・イドゥンの話はそれでも最後まで引っ張って行けた方でしたが、もう少し食い込んだらよかったです。

これはオーケストラの指揮と似ています。アンサンブルとハーモニーを活かさなければ、しかしその上でホルンやトランペットでポイントを与えたい欲もあるのです。けれども一つの音を追っていくと、ややもするとアンサンブルを壊します。人々が聞きたいのはオーケストラに現れる調和のある音ですから。

それでまたやっているうちに、気が付くとカン・マエという人物を追っているのです。完全に自己矛盾です。

パク・ウンソン記者:周囲では第5話位から集中して見始めたと言います。

イ:実は第5話で大きな公演があるじゃないですか。あまりにも公演が早く出てきてしまうではないかという話もありました。事実、第5話で結局紆余曲折の末に公演したその次にはまた別の話です。

シン:その時からが本当の話だったという言葉のように聞こえます。第5話までの内容を見ながら視聴者たちはすでに人物達に慣れてきました。だから本格的にやりたい話をすることができるようになったのでしょう。

イ:「ベートーベン・ウィルス」はアウトサイダーたちが世の中で自分の居場所を見出す話です。第5話からはアウトサイダーたちが何かもめ事を起こすのでした。その次はどんな事が起きるだろうか。アウトサイダーたちの間で内紛が起こったり、葛藤をもたらしたり、衝突が起こらないだろうか。自分の境遇を知って、何でも有難がっていた人々が心変わりしないだろうか。その中でキャラクターが少しずつ変化していかないだろうか。

シン:しかし、その人物ひとりひとりを全て表現するには時間があまりない

イ:その通りです。本当に時間が切迫していました。撮影の時間にも追われ、放送時間も短かったし。

シン:結局その中で人物をみせてやろうとすれば、唯一つの場面と出来事で端的に内面を表わすしかありません。コントラバス奏者のパク・ヒョックォンのようにです。卵による洗礼(攻撃)を受けながらも会社に行かねばならないというある瞬間を見せてくれて、妻と子供を見せてくれればこの人物のキャラクターが定義されるのです

イ:そうです。よりによって何故その瞬間なのかということです。その瞬間にその人物が盛り込まれているから。作家の方たちとそんな話をたくさんしました。これは「LOST /ロスト」と似ています。漂流する船に色々な人々が乗っています。極端な状況になるから人物たちの性格が現れます。私たちはその人物が自分の内面を表わすある状況だけ作ってやればいいのです。
つづく…】

原文はこちら
http://www.elle.co.kr/elle/elleweb_template_fashion.iht?contId=B18_20081212_5467


インタビュー中のサラリーマンのパク・ヒョックォンの卵による洗礼(攻撃)のシーンは、第1話に出てくるのですが、TVの地上波やBS放送ではカットされていたようですので、ちょっと場面説明を…

◇◇◇プロジェクト・オーケストラの企画が動き出したのに詐欺に遭ってしまって演奏者がいなくなってしまったルミは必死で団員を集めます。その中で大学の先輩であるパク・ヒョックォンにも電話をかけて団員集めを依頼します。ところが、ヒョックォンは会社の用事で忙しくて…。

その用事とは、会長宅へ押しかけた不当に解雇された元社員たちのデモ突入を阻止しようと、他の社員たちと共に会長宅前でスクラムを組んでいるところだったのです。とうとうデモ隊と阻止する側との衝突が始まり、ヒョックォンをはじめ会社側の人間はいくつもの生卵を投げつけられてしまいます。そんな卵まみれの姿を、お弁当を届けに来たヒョックォンの妻と娘が見てしまいます。幼い娘はこの光景を見て泣き出します。

デモが一段落したのか、会長宅横の階段道でおにぎりを食べているヒョックォンと妻と娘のボラ。ボラは不機嫌そうにお皿でバタバタと音を立てていて、妊娠中でお腹の大きな妻はそんなボラを叱ります。

ヒョックォンは娘を抱っこしながら、妻にオーケストラをするつもりだと話し出します。妻は意外にも賛成して、そこへ再びルミから電話が入ります。ヒョックォンは妻の聞いている前でルミにオーケストラに協力することを宣言します。妻は音楽を再開する夫に夢と希望を見出したのか、急に機嫌がよくなり公演のステージ服の事まで考えたりしています。

ママの機嫌が良くなると娘も明るい笑顔を見せます。韓国語でコントラバスを「コントゥラベイス」と発音しますが、ボラは上手く言えなくて「コンチャ~ベイス」と言うので、ママが「コントゥラベイス」と発音を直していますが、はやり「コンチャ~ベイス」と言ってしまう可愛いボラちゃんでした。◇◇◇

インタビューで話されていた通り、このエピソードでヒョックォンの置かれている状況がよくわかりますね。この家族のエピソードはほのぼのした場面が多くて私は結構好きなんです。第5話公演終了後のエンドレスな会話も大好きです。


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真琴

花かんざしさん、こんにちは~♪

記事掲載&翻訳ありがとうございます。

インタビューに出てきたヒョックォン家族のシーン、本当に印象的でした。ボラちゃん、愛らしかったですね。14話では母の陣痛をまえに吐きそうなほどの大泣き、すごい演技力でした。 家族三人のエピソードそのものもよかったですが、カンマエのいろんな面を引き出してくれました。カメラがまわっていないときのボラちゃん役の子と、ミョンミンさんのツーショットもネットにいくつか出てましたね。 子供好きなんでしょうね。やわらかい笑顔でした。

そういえばボラ母の出産入院を撮影した病院では、撮影時の写真がネットのどこかに掲載されてました。ソン・オクスクさんと写真をとったりして、本物の看護婦さんたちも喜んでいた様子でした。

久しぶりにミョンミンさんで検索したら、監督さま、イ・ビョンホン氏主演で、インターネット?映画を製作中の記事でてきました。 ソウル総合芸術学校(ミョンミンさんの母校ソウル芸術大とはちがうのでしょうか??)で教鞭にたたれているとのことで、ミョンミンさんとビョンホン氏の演技の違いについてお話されたようです。↓ もう、ご存知かもしれませんが。
http://osen.mt.co.kr/news/view.html?gid=G1002090029

インターネット映画の記事↓
http://kr.news.yahoo.com/service/news/shellview.htm?linkid=4&articleid=20100201111321375a3&newssetid=1352

>私たちはその人物が自分の内面を表わすある状況だけ作ってやればいいのです。

話数の少なさや切迫した撮影のため、画面の中にその人物の内面のなにか、全体の話のなかで何が物語れているか、を一目でわかるようなシーンを意識的につくっていったのですね。 ベバの中のいろんなシーンが好きですが、カンマエとルミのシーン以外では、初期ではイドゥンとガピョン先生の出会いのシーンもわりと好きです。 でも、監督さまの映像なら、ただ、男と女、または男と男、それだけが画面におさめられている数分のシーンでも、十分にみるべきものがある、と感じます。

続きも楽しみにしております。
by 真琴 (2010-02-09 17:45) 

花かんざし

真琴さん、おはようございます~
コメントありがとうございます
そして監督様の最新情報もありがとうございます!
最近「ベバ」のニュース検索をしてなかったので、全然知りませんでした。
教えてくださりありがとうございます。

監督の新しい作品はデジタル映画「インフルエンス」で脚本はベバのホン作家なんですね!
既に日本語の記事もたくさん出てますね。本当に情報に疎いので真琴さんに教えていただくと助かります。

イ・ジェギュ監督は以前に調べた時に、大慶(テギョン)大学の教授であることを知りましたが、最近ソウル総合芸術学校でも教えられるようになったのですね。多方面でご活躍の様子を知る事が出来て嬉しいです。

ところで、デジタル映画ってどんなものなのでしょうね。日本からも見られるのかしら??

とことんこだわるタイプの監督ですし、どんな小さな場面でも様々な計算の上に作られていると思います。ちょっと考えただけでも次々と名場面が思い浮かぶのはそのためなのでしょうね。

by 花かんざし (2010-02-10 08:28) 

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