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韓国ドラマ「済衆院」企画意図 [【韓国ドラマ】済衆院]

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現在韓国で放送中の月火ドラマの中で私が見ているのはSBSの「済衆院」です。朝鮮王朝末期を背景にした歴史ドラマであり医療ドラマともいえる韓国初の近代式病院が舞台の外科医の物語という部分に興味を持ち視聴を始めました。

現在14話まで放送されましたがなかなか面白いです。時代背景として朝鮮と西洋の両方の文化が混じりあった当時の様子が描かれていますが、その光景が文明開化期の日本とも似ていて物珍しくて。登場人物もなかなか良いです。

という訳で、ちょっとこのドラマをご紹介しようと早速ドラマ公式サイトの企画意図を拙いものですが訳してみました。

韓国のSBS公式サイトはこちらから↓

http://tv.sbs.co.kr/jejungwon/



SBS大企画 月火ドラマ「済衆院」企画意図

1.現在の大韓民国の現実はどうか?

過去のある時よりも豊かなように見えるが、日増しに広がる貧富の格差に続いた両極化現象で庶民たちは深刻な水準の相対的剥奪感を感じている。事実いくら努力しても、いくら一生懸命に生きても、持てる者の側に編入される事はますます難しくなった。これはまるで朝鮮時代の死んで生き返っても越えられなかった身分の壁を彷彿とさせる。

ゆえに歴史の大激動期であるといえる旧韓末(朝鮮王朝末期)初の近代式病院「済衆院(広恵院)」を背景として、周囲の蔑視と嘲笑を踏みつけ、とうとう身分の差を乗り越えて本当の医師として成功していく白丁の息子(実在の人物に基づく)の話に注目しようとする。

飛び越えられない現実の壁の前で挫折しているこの時代の、また別の白丁の息子たちに夢と希望を与えてやりたい。それでも世の中は生きるだけの価値があると。だから、努力しなければならないと。そしてあなたも、成功の恩恵を受ける者になることができると。これがまさにサクセスストーリーが持つ真正な社会的機能ではないだろうか。

2.最近の医療法改正案を取り巻いて進行されていた論難には、実際その重要な恩恵を受ける者にならなければならない国民たちが除外されていてもどかしい。

適正な価格で最上の医療サービスを受けなければならない国民たちは疎外され、医療関係者と医療機関の利害関係だけが議論の対象になっているのだ。彼らの利己的な集団化、金権化への現状の深刻さは、単純に資本主義社会という構造的問題のためだけではないだろう。

仁術とは人の生命を救う本性の現われにもかかわらず、病気を治す医師になるより金儲けする医師たちが多いこの頃のありさまに、病院中心的な思考から脱して、この時代に必要な真正な医師の姿を「済衆院」という歴史ドラマを通してお見せしたい。

3.旧韓末は身分制度が崩壊した時期だった。

婚姻の問題においてこの問題はより徹底して守られた。旧韓末の済衆院という空間は、最下層の身分である白丁出身の医学生、士大夫出身の医学生、宣教師の通訳を担当した訳官の娘の女医、妓生出身の看護師など多様な人間群像が仁術という共通の目的のために集まった所だった。このような当時としては高度の職場環境で繰り広げられる職業人の愛を描くだろう。

4.ストレスのために病気になり、病気のためにストレスを受ける現代社会。痔で苦しむ成均館の留学生、勤務過労が原因でストレス性脱毛症ができた高級官僚、健康心配性にかかったエリート知識人、肥満で苦労する大金持ち、閉経期で悩む奥様、梅毒にかかった宦官などなど。

旧韓末という時代の鏡を通して、現在を生きていく私たちの姿を映してみようと思う。

5.既存の歴史ドラマの型は普通「王朝中心の政治史」または「英雄の人物史」で再現されてきた。しかしドラマ「済衆院」は旧韓末、日帝の主権侵奪という政治的かつリアルな近代の医学史を通して旧韓末に光を照らし出すだろう。

そのプロセスを高宗を中心とする王権と政治勢力の没落の過程を通して見るのではない。朝鮮の医療制度は伝統的に国王、王室、高位大臣など支配階級の安危(安全感と危機感)と結束の責任を持ち、民の病苦を配慮するという伝統的な王道理念に立脚したことで高麗時代以降ほとんど千年の間持続してきたのだ。すなわち朝鮮の保健医療制度は王権強化の一つの手段であったのだ。

しかし1882年、国民を救済して王権を安定させる場所の役割と任務を果たしていた伝統的医療機関政策は恵民署と活人署が廃止されたことによって瓦解した。そこへ押し寄せる西洋列強の圧迫の中で朝鮮は一日も早く近代化を模索しなければならない立場に置かれた。

ここに近代的医療体系の必要性を誰よりも痛感した高宗の積極的な努力の産物がまさに1885年に設立された済衆院だった。それゆえ済衆院は国民の診療機関として、近代的教育機関として、国王の政治的生命がかかっていたと言えるだろう。

したがって「済衆院」という舞台は「日帝の朝鮮植民地再編過程」といえる旧韓末の歴史を構築するのに申し分なく適した時代的構造物になるというところに着眼してこのドラマを企画するようになった。

すなわち、このドラマは「旧韓末の病院史を中心に繰り広げされる新しいスタイルの歴史ドラマ」になるだろう。


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